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TZR250R 3XVのリアサスを付ける

TZR50RにTZR250R 3XVのリアサスが付くというネット情報を知って、ヤフオクで中古(1000円)を落札してみた。きれいにしてみるとロッドに錆びもなく、ダンパーも抜けていなさそう。窒素ガス封入のピギーバック式リザーブタンク付き。

先回のレースでノーマルのリアサスに換えてみたが、しっかりダンパーが効いてもノーマルではどうも役不足な感じ。チェックしてみるとフルボトムして底付きしている跡があった。コーナーでリアサスが動かなくなってしまえば、あとはタイヤでショックを吸収するしかなくなる。そのせいでリアが流れやすいということもあるようだ。TZR50Rのリアサス強化は定番のようだし、換えてみる価値はあると思う。

ノーマルサスの取付穴間の長さは255mm。一方、3XVのサスは260mmだった。5mm長いわけだが、仮留めして跨がってみると姿勢変化は体感出来ない程度。3XVはストロークが長く、初期の沈み込みが大きい感じ。それにレバー比で動きが拡大されるリンク式ではないので、5mmの長さの差は無視して良さそう。

リザーブタンクもフレーム等に干渉しないで付いた。ただ、サス下側取付部の幅が狭い。このままだと左右に振れてリアサスが傾いてしまう。最悪、ストロークしなくなってしまうので、左右にカラーを入れなければ・・・。ボルト径は12mmで同じなのが助かった。

一番の問題は3XVサスの上側取付部の穴が10mm径だということ。ノーマルサスは12mm径だ。ボルトは10mm径の物に換えればいいけれど、車体のステーの穴が12mmなので、これではガタが出るし、サスが斜めに傾いてしまう。う〜ん、「ポン付け」出来るというネット情報はガセだったか・・・。

ステーとボルトとの2mmの隙間を埋めるためのスリーブを作ることにする。外径12mm、内径10mmのぴったりとしたパイプが都合よく見つからないので、外径13mmのパイプを買ってきて、この径を縮めることにする。オールステンレスで厚さ約0.8mm。

金ノコで縦に切れ目を入れ、ここをヤスリで削って「外周」を短くする。少しずつ試しながら、外径12mm、内径約10mmの筒にする。

リアサスやステーを採寸してスリーブの長さを決める。ステーに当る部分が7mm、スペーサー部分が3mmで、ちょうど10mmの長さにするとバッチリだった。筒をカットして2つのスリーブを作る。

完成したスリーブ。スペーサー(ワッシャー)にもぴったりはまる。ボルトにスリーブをはめると、ステーの12mm径の穴の部分だけボルトが太くなるというわけ。かなり精度よく出来た。

ステーの穴にこのスリーブがはまり込む。ステンレスは鉄よりも固いようなので、大きな荷重を受けてもたぶん大丈夫な気がする。それにこの上側のボルトはサスが動いてもほとんど回転しないので、まァ、いいと思う。3mm厚のスペーサーを入れると隙間無くきっちりはまり、ガタも無くなった。

次に下側用のカラーを2つ作る。「抜けサス」から鋼鉄のカラーを取って、これを切断。かなり固いので替え刃を4本使ってしまった。

ヤスリ掛けは思ったよりも楽。必要な長さの物を正確に作る。3XVの下側の取付部はピロボールになっていて面一から5mmほど奥に入り込んでいる。そこまでしっかりカラーが当るように長さを決めないと・・・。ちなみにステーの内幅は50.3mm、ピロボールの幅は15.2mm。

カラーは左右同じ幅でいいはずだが、リアサスの軸が少しずれていたので、凝って長さを変えてみた。あとで考えると、そこまでしなくても無理矢理リアサスを中央に寄せれば良かった。左のカラーは幅は16.2mm、右は18.8mmに。

さっそく取り付けてみるときっちりはまって、これで左右にはぶれない。動きも渋く無いし、OKだ。

ノーマルサスの重さは1.4kgだったけれど、3XVは2.4kg。倒立サスなので「バネ下」はかえって軽いようだが、結局トータルでは1kg増。う〜ん、この分はライダーが減量してカバーすることにしよう。気になる減衰は、しっかりダンパーが効いて調子は良さそう。1Gでかなり柔らかく沈み込み、そこからさらにサスが動くのがいい感じだ。なにしろ250cc用のリアサスなので、50ccではまったく底付きする気配がない。オーバースペックという気もするが、コースでいい仕事をしてくれそうな予感がする。

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