ステアリングステムをオーバーホール

エンジン系

キャブレータをオーバーホールする

キャブレータを取り外す

エンジンを積む

腰上をオーバーホールする その2

腰上をオーバーホールする その1

Rクランクケースカバー交換その2

Rクランクケースカバー交換その1

エンジンをきれいにする

RCバルブをきれいにする

クランクセンターシールをチェック

シリンダ、ピストンを外す

エンジンを下ろす

ラジエータをきれいにする

エアクリーナエレメントを洗う

足回り系

フロントフォークをオーバーホール

ブレーキフルードを交換する

ブレーキキャリパをオーバーホール

ブレーキディスクを交換する

ホイルベアリングを交換する

Rサスペンション回りをきれいに

ステアリングステムをオーバーホール

フロントフォークを移植する

フロントブレーキパッドをチェック

外装系

グリップを交換する

キースイッチ等をきれいにする

カウルステー等をきれいにする

トップブリッジを鏡面仕上げにする

クラッチワイヤをきれいにする

ワイヤ類を外す

ステップをきれいにする

キックペダルのサビを落とす

ミラーを修復する

カウルをプラリペアで修理する

カウルをきれいにする

その他

パワーチェックをする

バイクを登録する

リミッターを解除する

バッテリーを交換する

ステアリングダンパーを付ける

アーシングする

エンジンを始動させる

チェーンを交換する

チャンバーをきれいにする

まずトップブリッジボルトを30mmのボックスレンチで外す。これはかなりきついのでサイドスタンドを立てた状態で緩めておく。ちなみに締め付けトルクは9.0〜12.0kg-mと強烈。次にフロントフォークを外す。

そしてステアリングステムのロックワッシャーのツメを戻して、写真のようにフックレンチでロックナットを緩めれば、ステアリングステムは下に抜ける。フックレンチは40-42のサイズで、厚みは7mm以下のモノがちょうど良かった。

ヘッドパイプの上下にベアリングのアウタレースが圧入されているので、これをそれぞれ反対側から貫通ドライバーでコンコンと打ち抜く。NSRのヘッドパイプには切り欠けが2箇所ずつ作ってあって、そこにアウタレースの底の一部が見えているのだ。2箇所を交互に叩くとアウタレースが斜めにならずに簡単に抜ける。

ステアリングステムに圧入されているロアインナレースをダストシールの後ろからタガネで叩いて抜く。一気に打つとレースが斜めになって引っかかるので少しずつ慎重に。この時、先端のネジ山をつぶさないように必ずトップブリッジボルトを付けて保護しておく。また、ダストシールはどうしても潰れてしまうので新品に交換する。

せっかくなのでステアリングステムをきれいに塗装しておくことに。サビは320番くらいのサンドペーパーで落とし、パーツクリーナーでよく脱脂。シャフトやフロントフォークとの接触面を養生しておいて、シャーシーブラックでシュー。数回に分けて重ね塗りしておく。

ステアリングステムのシャフトにグリスを塗って新品のダストシールをはめ、その上に新品のロアインナレースを打ち込む。木材をステムの下に敷き、レースには内径35mmぐらいのステンレスパイプを当てて、上から金槌で打ち込んだ。レースよりもステンレスパイプの方がずっと柔らかいけれど、絶対にベアリングの受け面にはヒットさせないように注意。指でステンレスパイプをシャフトに押し付けて、必ずレースの内縁に当たるようにして打つ。なお、ステンレスパイプは400mmぐらいの長さがシャフトより少し長めでちょうどいい感じ。※古いレースを逆さにして重ねれば安心かも。打ち込んだあとは古いレースだけバイスプライヤーで引き抜ける。

ステアリングパイプにアッパアウタレースを圧入する。グリスを塗り付けたあと、新品のレースをセット。その上に古いレースを逆さまに向けて乗せる。

まずは金槌でコンコンとレースの尻を叩き、少しずつ打ち込んでいく。レースが傾いて打ち込まれないように注意。これでステアリングパイプと面一まで打ち込める。

次に、トップブリッジボルトを外す時に使った30mmのソケットを被せて最後まで打ち込む。新品レースがフレームに確実に密着するまでしっかりと。フレームに当れば音が変わるので分る。なお、今回は地面にフレームを置いて打ち込んだが、タイダウンベルトで吊った状態でも問題なく作業出来る。

今度はロアアウタレースを打ち込む。同じく古いレースを新品レースに被せて30mmのソケットで。ただ、ロアアウタレースは広いので、円周に沿って少しずつ位置を変えながら、レースが傾かないように打ち込む。これも底に当れば音が変わるのでよく分るのだ。

古いレースも一緒に打ち込まれるが、これはそれぞれ反対側から貫通ドライバーで引っ掛けるようにして打ち出せば簡単に抜けるので心配は要らない。それよりも確実に打ち込むことが大切だ。覗いてみてフレームとレースの間に隙間が見えるようでは全然ダメ。

ベアリング等を取付ける順番に並べて間違いのないようにしてみた。新品にするのはダストシール、ロアベアリング(ロアインナ・アウタレース含)、アッパベアリング(アッパインナ・アウタレース含)、ロックワッシャー。88にはトップブリッジに直下にアルミのスペーサーも入る。

これはロアベアリング。ボールの隙間をパテ埋めする感じでグリスを詰めておく。今回は耐圧のモリブデングリスを使ってみた。レースの方にもグリスを塗って取付け。

シャフトを通したら、アッパベアリングをセットし、アッパインナレース、ダストシール、ステアリングアジャストナット、ロックワッシャー、ロックナット、スペーサーの順で取付け。シャフトには薄くグリスを塗っておいて、サビを予防しておく。

鏡面仕上げにしたトップブリッジを取付ける。ステアリングステムをオーバーホールするとコーナーリング時の反応などが見違えるほど良くなる。逆にクリック感があるようなひどい状態だと即、転倒につながる危険性もある。このステアリングステムのオーバーホールはとても重要だと思う。

ステアリングアジャストナットの締め付けトルクは2.3〜2.7kg-m。この調整はフロントフォーク等を取付けた状態でやりたいので、後回し。なのでロックワッシャーのツメも折らずにそのままにしておいた。

SINCE 2004.05 (C)take4-web All Rights Reserved.