エンジンをきれいにする
ミッションオイルがドレンボルトから漏れていたため、クランクケース全体がオイルまみれ。CRC5-56を吹きかけてブラシで擦ってもなかなかきれいにならない状態だった。腐食もところどころ進んでいるようだ。
オイルと泥で固まったクランクケース。アルミの地金が見えないほどだ。これは根気よく擦って落とさないと・・・。
エンジンを吊っていたシャフトやボルトなどは灯油にドブ浸けしてきれいに洗浄する。やはり泥のようにこびりついた油汚れには灯油が一番効き目がありそう。パッキン等のゴム製品にも優しいのがいい。
灯油できれいにしたあと、サビたボルトなどはラストリムーバーに浸けてサビを落としておく。これならどんな赤サビもきれいになるのだ。ただし、灯油などの油分は一度パーツクリーナーで脱脂しておかないと効き目が半減してしまうようだ。
CRC5-56などでかなりエンジンがきれいになったので、室内にエンジンを持ち込んでみる。アルミの腐食の黒い斑点はいくら洗浄しても消えないので、削って落としておくことにする。シリンダに削りカスが入り込まないようにガムテープで養生しておいた。
ホームセンターで買った大きなプラスチックケースの中にエンジンを入れ、汚れを削り落とす。まずは電動ドリルに真鍮ワイヤーブラシを取付けて磨いてみたが、これはあまり効果がなかった。
30mmのデライトホイルを付けて磨いてみる。これは400番相当の研磨が可能なモノで、CRC5-56を付けて磨くとアルミがかなり簡単に削れ、サビが取れる。もちろん、細かいところにはホイルが当らないので、800番の耐水ペーパーとCRCを使って根気よく磨くことにする。サビは見た目だけの問題で、性能には関係ないので適当に切り上げる。
シリンダやピストンを簡単にきれいにしたかったので、サンエスエンジニアリングのメタルクリーンαを使ってみる。10リットルの水に対し300gの粉を溶かし込んで使う。溶液の温度が高い方が効果が高いので80度くらいの湯を使用。
100円ショップで買ったプラスチックケースに10リットルのメタルクリーンα溶液を入れ、そこにシリンダーを入れてみた。最大12時間の指定だったが、構わず2日間放置。さて、その結果は・・・。
たしかに薄いカーボン汚れはきれいに落ちたけれど、堆積したカーボンにはイマイチな効果。やはりドライバーや真鍮ブラシ、写真の子供用歯ブラシでポート内やRCバルブの格納スペースを磨いてやらないとダメだった。ちなみに素手でメタルクリーンαを触っていると手がぼろぼろになってくるので、ゴム手袋は必ずした方がいい。
堆積したカーボンもだいたい取れたので、これで良しとする。シリンダやシリンダヘッドの外観がアルミのサビで汚かったので、800番のサンドペーパーとCRCを使って軽く磨いておいた。
メタルクリーンαに付けておくだけで、燃焼室はこんな感じにきれいに。ただ、これはCRCをつけたブラシでも簡単にきれいになる。メタルクリーンαは洗浄後に防錆皮膜が出来るのがいいかも。
ピストンもまあまあきれいに。内側はなかなかきれいにならない所だけに、浸け置きできれいになったのは楽だった。
掃気ポートは浸け置きではあまりきれいにカーボンが落ちなかった。もっと溶液濃度を上げれば良かったかも知れないが、今回はこの程度で切り上げ。
一番気になる排気ポートのカーボンの堆積はすぐにきれいになった。その奥のRCバルブの格納スペースも黒いカーボン汚れは完全には取れなかったが、RCバルブの動きをじゃまするような厚みのあるカーボン汚れは全て取れたので、これで終了。※今回はやらなかったが、本当は400番くらいのサンドペーパーでクロスハッチを付けるようにNSメッキの表面を加工しておくといいらしい。
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