88テラのエンジンを降ろす

06/11/15、オドメーター9,350kmになった88テラのエンジンをオーバーホールするために降ろす。04/08購入時5,100kmだったから4,250kmほど走った計算だ。まずはシートとタンクを外し、テールカウル、アッパーカウル、アンダーカウルを外す。必要最低限の取り外しで作業量を少なくするつもり。さっそく安全のためバッテリーを外す。外す時はマイナス端子から。そして取り付ける時はプラス端子から。

クーラントをフロントシリンダ下のドレンボルトから抜いたあと、シリンダー等についているラジエータホースを外す。ホースバンドを緩め、ドライヤーの熱風を当ててラバーを柔らかくしてからマイナスドライバを差し込んでCRC5-56をプシュー、これでOK。フロントシリンダに付いているステーを外せばラジエータ本体が取り外せるが、まず、チャンバーを先に外しておいた方が何をやるにも楽な感じがする。

クーラントのリザーバタンクも取って、写真のサーモスタットも外す。ラジエータホースはサーモスタット側につけたままにして、エンジン側を外すようにした。分解しないで済む箇所は出来るだけそのままにしたいからだ。コード類も取付の時のことを考えて出来るだけ外さないようにした。

ミッションオイルも抜いておいた。思ったより汚れていたのは、購入後最初に交換した時、それ以前の劣化したオイルが少し残っていたためだろう。クラッチケーブルを外し、イグニッションケーブル等も外しておく。

このウォータポンプジョイントの奥のボルトはフロントエンジンハンガが邪魔をして、普通のソケットレンチが使えない。そこで100円ショップで買ってきた8mmのパイプレンチを使う。これでエンジンを降ろす前にウォータポンプジョイントが外れるのだ。

エアクリーナケースを外したあとにキャブレータの取り外し。まずはチョークワイヤ、オイルポンプワイヤ、2本のアクセルワイヤを緩めて外す。エアソレノイドやコード類は付けたまま。エアクリーナケースもキャブレータも、取付バンドを緩めたあとラバーをドライヤーで暖めてから引き抜く。あとでチェックしてみると、エアクリーナケースとキャブとの取り付けが悪く、もう少しで二次エアを吸いそうなぎりぎりの取り付けになっていたのを発見。

クランクケースレフトカバーを外し、ドライブギアを外す。ボルトにはロックプレートの爪が掛かっているので、必ずこれを伸ばしてから回す。次にチェーンアジャスタでチェーンを一番緩め、ドリブンギアからもチェーンを外す。邪魔になるチェーンはタンデムステップステーにかけておけばリアタイヤが空転してバイクの移動も可。

RCバルブもケーブルガイドベースごと外して、ワイヤケーブルやRCバルブモータはそのままにしておく。ここで注意しなければいけないのがRCバルブシャフトのナット。これだけ逆ネジになっているのだ。間違って左に回したらネジ切ってしまう。オイルタンクからのホースを外して、ドライバの柄を突っ込んでオイル止めにしておく。今回はオイルタンクも外さないつもり。エンジンを降ろす時に邪魔なオイルポンプはクランクケースから取り外しておく。

リアとフロントをメンテナンススタンドで上げておいて、例によって四輪の車載パンタグラフジャッキを使ってエンジンを支える。ジャッキは倒れないように木材に固定してある。クランクケース下、やや後方でかつ左寄りの位置があとあと都合のいいバランスになるポイントのようだ。

エンジンを止めているのは4箇所。まず、ドライブスプロケット上のリンクハンガのボルトを外してしまう。ちなみに取り付ける時は、チェーンラインをしっかり出すためにこのリンクハンガを一番先に締め付けた方がいいと思う。リンクハンガボルトを外したら、次にその上のリアアッパハンガのボルトを外す。続いてサイドスタンドステーと共締めのリアロアハンガのボルトも引き抜く。これらボルトはすべてナット側を回す。そのあとリアロアハンガ右側の芋ネジを緩める。これでリアが落ちそうになるが、ジャッキが支えてくれるので大丈夫なのだ。そして最後にフロントハンガのボルトを引き抜けば、エンジンはフリーになる。事前にウォータポンプジョイントとオイルポンプを外しておけば引っかかる部分も少ないので、少しずつジャッキを緩めながらエンジンを降ろしていく。

今回はあまりパーツを外さなくて無事エンジンが降りた。もともと88テラは汚れが少ないので、88ロスの時のように全パーツを洗浄しなくていい。なので、必要最低限の取り外しでOKだ。ただ、せっかくエンジンを降ろしたので、普段手の届かなかった車体の部分を洗浄しておくのもいいかも。

降ろしたエンジン。チェックしてみるとなんとフロントシリンダのRCバルブが固着していて動かない。どうも最近吹け上がりが悪くなったと感じていたが、これのせいだったか。普段あまり乗らないのでたまったカーボンがバルブを固めてしまったんだと思う。RCバルブの作動は覗き込めば分ったはずなので、これはうっかりしていた。念のため88ロスのRCバルブの動きをチェックしてみたが、こちらはまったく問題なく動いていてホッ。さあ、まずは降ろしたエンジンの洗浄から始めて、オーバーホール開始。

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