キャブレータをOHする

まずはキャブレータ横に付いているスロットルセンサをステーごと取り外しておく。センサをステーから取り外すのは厳禁らしい。誤って外さないようにタイラップで封印がしてある。センサの軸の回転範囲は半周もないので、外したとしても位置が分らなくなることはないと思うのだが・・・。それほど微妙なポジショニングなんだろうか?

ホース類も全て外し、左右のキャブレータを2つに分けておく。なるべく分解しないで済ませたいが、2つに分けておくと細かいところまでブラシが届いてきれいにしやすいのだ。トレイに灯油を張ってここにドブ浸け。ナイロンブラシで擦るとかなりきれいになる。さらに一晩浸け置きしておくと、もうほとんどピカピカ。まずは外観の洗浄を済ませてしまう。

フロートチャンバカバーを3本のビスを外して開ける。このビスは舐めやすいのでショックドライバーを使った方がいい。まずは油面チェック。フロートが軽くバルブに当った状態で、フロートの底からフロートチャンバカバーの接合面までの高さを計る。13mmで正常。フロートの底は斜めなので、ちょうどメインジェットの位置での高さを計る。大抵は出荷時からズレていないはず。

フロートバルブのゴムが変形していないかチェック。対応するバルブシートもチェック。フロートが上がるとフロートバルブを押し上げてガソリンの流れ込みを止める仕組み。組み付けたあとはフロートがカチャカチャ自由に動いているかも音でチェック。おかしければまたフロートチャンバカバーを開けて原因を調べる。

パワージェットのアルミのフタも舐めやすい。ここもショックドライバーを使いたいところ。パワージェットは左♯75、右♯70なので間違えないよう注意。ニードルジェットホルダの先についているメインジェットも左♯130、右♯132と左右が違うのだ。その横のスロージェットは左右とも♯38。

ジェットニードルを引き抜いたあとはニードルジェットを取り外す。今回これが一番大変だった。六角レンチをてこのように使って下に押し出す。ボアに傷をつけないように当て布をしておく。ニードルジェットは付け替える対策ニードルに同梱されているので、古いものは変形させてしまっても構わない。切りかけがエンジン側を向くように取付ける。

エアスクリューを外す前にチェックしたら右が1/2回転戻し、左が1回転戻しになっていた。88キャブの基準値は2回転と3/8戻し。どうも不調のカバーのためにここでお手軽な調整がされていたようだ。今回は基準値に合わせる。左右のスロットルバルブの高さも同じ位置に同調させておいた。

金色のジェットニードルは対策前のもので摩耗が激しい。これを今回銀色の対策ニードルに変えておいた。不調な88NSRがこれだけで蘇ったという話もよく聞く。アイドリングの不調、片排、燃費の悪さの原因とも言われている。あとは全てのジェット類の穴をきれいにし、また組み付ける。

スロットルセンサもチェック。カプラの黄/赤と青/緑間の抵抗を計る。これはまずまずだったが、次に黄/青と青/緑間の抵抗を計ると1.5kΩ以下からきれいに上昇していくはずの抵抗値がバラバラで、最低値も最高値もおかしい。どうもセンサがいかれているようだ。これではせっかくのコンピュータプログラムのマップも役に立たない。

以前ヤフオクで買っておいてスペアのキャブレータからスロットルセンサを外して付け替える。マニュアルデータとしては、カプラの黄/赤と青/緑間の基準抵抗値が4〜6kΩ。黄/青と青/緑間の抵抗で全閉状態で0〜1.5kΩ。スロットルを全開にしていくと滑らかに抵抗値が上昇して、全開位置で4〜6kΩなら正常。

付け替えたセンサをチェック。基準抵抗値が4.98kΩでOK。次に黄/青と青/緑間の抵抗を計る。スロットルストップスクリュを緩めてスロットルを完全に全閉した状態で1.2kΩ。これも1.5kΩ以下だからOK。そしてスロットルを開けていくときれいに数値が上昇して全開で5.6kΩ。このセンサなら問題無し。これでキャブレータのOHは完了だ。

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