基本に戻って考える2010

コーナーリングの仕方を基本に戻って考えた10シーズン・・・(10/04/08〜10/12/07)

10/04/08 リーンウィズからやり直した方がいいかも
写真をみると上半身がかなりアウト側に戻っていて、地面に対して垂直に立っている。こわごわした感じが伝わってくるようだ。目標としては、上体もバイクと同じようにリーンさせ、遠心力に対抗するカタチを作りたいのだが・・・。もちろんそうするためにはコーナーリング速度も高くないとダメだが、速度を速めるためには最初にカタチを正しくしないと始まらないと思うのだ。
■ハングオフから始めたので、その弊害がいろいろ。まずは基本に戻ってコーナーリングの仕方を考え始めた。

10/07/01 足首のひねりをきっかけにする
「足首のひねりをきっかけにする」という、師匠直伝のリーン方法を試してみる。これはまず、つま先立ちのかかと部分でしっかりと車体を挟み込み、曲がろうと思ったら、両方の足首で車体を曲がりたい方へ向けるようにひねる、というモノ。このひねりの反力で上体がイン側へ倒れ込み、これでリーンが始まるのだが、いつでも自由に上体を倒れ込ますことが出来るのが素晴らしい。
いままでは上体の慣性力を使って車体を引き込むことをリーンのきっかけにしていたので、必ず減速していなければいけなかったし、上体を投げ出すタイミングもシビアだった。それで曲がりたいポイント、タイミングを自由に取れなかったのだが、この方法だとそんな問題点が一気に解決してしまった。
■足首のひねりで一気に進歩したと思ったけれど、自分のレベルでは消化しきれないテクニックだったということがあとから分かった。ただ、上体の荷重でバイクを操作するというと感覚は理解出来た気がする。

10/07/17 90SPでサーキット練習(まだ何か分かっていないモノがある)
足首ひねりで上体をイン側に倒し込められるようになって、ようやく曲がれるようになってきたと思う。しかし、まだ人車一体で倒れ込むのが難しい。90NSRはかなりアップステップなので、その位置から倒れ込むのが怖いのだ。それでつい外足膝の押し込みがおろそかになり、バイクだけリーンさせてしまう格好になる気がする。
■結局、恐くてバイクを深くリーンさせられないのが根本的な問題だと思う。

10/09/01 VFでフルリーンテスト
ブレーキングでフロントフォークを縮めたままなだれ込むように身体をイン側に飛び込ませてリーン開始。こんな乗り方をVF1000Rで試してみると、フルリーンまで倒しても安定していて恐怖感なくコーナーリング出来た。ステップが接地すると同時にカウルも擦ってしまうが、140の細いバイアスのリアタイヤでそれが可能なことが分かったのも収穫。当初、VFはステップを擦るまでの深いリーンアングルを取るのは性能的に無理じゃないかとかなり疑っていたが、それはやはり自分のライディング技術が低いだけのことだった。
■サスを縮め、タイヤを押し付けると重いVFでもなんとかなることが実感出来た。

10/09/05 低い位置の上体がいいのか、悪いのか
身体を飛び込ませず、固定したままリーン開始した方がダイレクトに身体の荷重がバイクに伝わる気がしてチャレンジ。その際、頭の位置が最初からセンターよりイン側になるようにセットし、そして出来るだけ低く構えて飛び込んでみた。
■上体を低くして遠心力をやり過ごしたら恐くなくコーナーリング出来るかと思って試してみたが・・・。

10/09/26 ヘッドパイプを倒すべし(光が見えてきた?)
イン側ハンドルバーに荷重しないでリーンさせると極端に旋回性が落ちてしまう感じがしたので、今回はヘッドパイプを両方の手で引き倒すようにし、フロント回りに積極的に荷重してリーンさせることをやってみた。するとクイックに向きが変わり、良い感じで旋回性も高くなった気がする。いままでハンドルに荷重するのは怖い気がして、なるべく腕の力は抜いて身体全体で荷重しようと心がけていたが、直接、ヘッドパイプを倒した方が確実な気がする。
■リーン開始直後から素早く向きが変わってくれれば安心、というわけで、どうしたらそういう動きになるかあれこれ検証してみた。

10/09/28 ロール軸を意識してフロントを倒し込む
フロント回りに体重を乗せてヘッドパイプを倒すという感覚の乗り方について師匠に相談すると、それはやめた方がいいとのこと。フロントヘビーな乗り方は、モトクロスのようなゴーアンドストップ的なクイックなターンなら良くても、高速コーナーでは危険だし、速度も出ないそうだ。たしかに自分もフロントタイヤに依存し過ぎていて、理にかなっていない気がしてはいた。そこで今回実験してみたのが「ロール軸」を意識した倒し込み。バイクはタイヤの接地面を支点にしてパタッと倒れるものではなく、ヘッドパイプ辺りと後輪の接地面とを結んだラインを中心軸として回転するようにリーンするという考えだ。このロール軸を意識してリーンしてみると、フロントヘビーにしなくても不思議とヘッドパイプを倒し込めた。コーナーに飛び込んでから、「フロントタイヤはアウト側に回り込むモノだ」と強く意識すると、そこからさらにフロント回りを寝かせられるのだ。
■いっきにリーンさせる方法しか出来なかったところに、新しいやり方が見えた気がした。

10/10/19 ライン重視でコーナーリング
スロットルを早く開けられるよう、立ち上がり重視のラインで走る練習。進入速度は遅くなってもいいから、コーナー奥に突っ込んでクルッと向きを変えて、なるべく直線的に立ち上がる。「コーナーの頂点の裏側にあるクリッピングポイントを狙って行く」という感じ。これでコーナーリング全体での速度が上がるのかどうかはよく分からない。しかし、なにはともあれ、スロットルを開けて加速して立ち上がっていく感覚を身につけた方がいいと思うのだ。
■立ち上がり重視のラインは確かに効果的で有利だが、それはちゃんとコーナーリング出来る技量を身につけた上での話だということがあとになって分かった。

10/12/01 コーナーリング考(仮説)その1
いったい身体でどう荷重すればバイクがリーンし出すのだろうか。それを確かめるため、バランスボールに乗って身体の重心変化を使って倒れ込む実験をしてみた。すると、ボールの上でぐっと身体の重心を偏らせてみても、意外なほどゆっくりとしか倒れていかない。まるで根元を切られた大木が倒れていくようなスローな動き。さらに勢い良く上体を動かしてみても、反作用でボールが反対に起き上がってしまうだけ。これは、あのコーナーリング時のクイックなリーンとは程遠い感覚。ということは、リーンというのは、身体の重心変化で起るものではないということなのだろうか。つまり、コーナーリングにおいて、上体をイン側に傾けたり、イン側のステップに乗り込んだりしても直接的なきっかけになっていないということ。まァ、身体は宙に浮いているような状態だから当然といえば当然か・・・。それではリーンのきっかけとして主に働いているのはどんな力なのだろうか。
■これで、ハンドルバーへの荷重の重要性を再認識した。

10/12/07 コーナーリング考 その5 これなのか!?
今回は、フロントがターンを始めてもそのままブレーキレバーを軽く引き続け、ス〜ッと弱めていってフルリーン手前で優しく離す。身体は飛び込ますのだが、なんというか、地面に手をつきながら徐々に倒れて行くような感覚。ずっとハンドルバーの感覚があるので、バイクが確実にターンしていく様子も分かる。ブレーキレバーを離したら、今度はパーシャル状態からスロットルを少しずつ開け、それで身体のリーンを止めつつさらにターンしながら立ち上がり。これまた手をついて徐々に起き上がるような感覚。手というか、タイヤの接地感なのだが、倒れ込みはブレーキで支え、立ち上がりはスロットルで支える。つまり常時何かにバイクと身体を支えてもらっているわけで、これはプールに飛び込みむようないままでの決死のダイブと比べたら段違いの安心感。そして高い自在度。思わず「これか?、これなのか!」と叫んでしまった。進入時のフロントフォークのピッチングも初めて無くなった。
■年末はずっとリーンウィズでの練習を続ける。そして最後に、ブレーキの使い方でフロントフォークを伸ばさないようにリーンを開始し、最大リーンアングルまでハンドルバーへの荷重を感じながらターンしてみるとかなりいい感じになりそうな予感が出てきた。しかし、残念ながらここで10シーズンは終わり。

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