主にサーキットで学んだ2014

ブレーキングしたままリーンさせれば必ず曲がれることが分かった・・・(14/01/03〜14/12/17)

14/01/03 転倒しないリーン
それはフロントを主体としたリーン。ブレーキングによって縮めたフロントフォークをポールに見立て、棒幅跳びをするイメージで倒れ込む。この時、フロントホイールは10円玉が倒れ込みながら転がる軌跡を描いていく。ライダーとしては、ポールにつかまりながら前方イン側に向かって完全に倒れてしまおうとするのだけれど、10円玉が回り込むように進んで行くので、倒れる前に向きが変わってコーナーを抜けてしまう。つまり、転倒しようと思っても転倒しないのがこのリーンなのだ。
■師匠の奥義「棒倒し」の有効性を改めて感じた。

14/01/04 フロントフォークが沈み込むのはブレーキングG
師匠いわく「遠心力とブレーキングGは力が全く違う」とのこと。コーナーリングで遠心力に押されてフロントフォークが沈み込む量はごくわずかであり、高速コーナーにおいてもその量はたかが知れている。一見、フォークが入り込んだように見えるのはバンプによって弾んだためで、フロントフォークを大きく沈み込ませるのはブレーキングGである、と教えてもらった。これは非常に示唆に富んだ教えだった。
■つまり、高速でリーンさせてもそれでタイヤを押し付けられるわけではないということだ。面圧を高めるためにはやはりブレーキングでフロントフォークを押し縮めなければいけないのだ。

14/01/05 遠心力でくっついているのではない
MotoGPでフルリーン位置のライダー。深いリーンアングルを保てるのは猛烈なコーナーリングスピードでタイヤが路面に強く押し付けられているから・・・では無い。この位置はコーナーのエイペックス。ブレーキのリリースが終わり、一番スピードが落ちている地点なのだ。進入からの進行方向が90°以上変わり、直進の勢いが一番削がれている。しかし舵角がまだ付いていてターンを続けているので、矢印のようにバイクは跳ね起きようとする。それをタイヤの接地面を支点にライダーが重しとなってバランスしているのだ。
■見た目の深いリーンに惑わされないよう、自分自身に言い聞かせた。

14/01/06 ヒザスリしてはいけない
Aのようにイン側の体側を開いてヒザを接地させようとすると、バイクの旋回力が弱まってしまうのでダメだ。せっかくの重量物の足を下げてしまい、しかも反力で上体はアウト側へ戻っている。これはナナメになった状態でバランスを取ってしまっているカタチ。イン側ステップに乗り込んでしまっているのも問題だ。一方、Bはヒザを引き上げている分まだマシだが、恐怖感から身体が緩み、完全に身体をバイクに預けてリーンしていない。これが最初からバイクとリジッドにリーンしたのなら、もっと浅いリーンアングルでグリグリと旋回出来るはずなのだ。ヒザスリしないで倒れ込むのは恐いけれど、ヒザスリは絶対に求めてはいけない。
■身体のマスを出来るだけ上方に集め、遠心力で起き上がろうとするバイクをテコの要領で押さえ込まなければ・・・。

14/01/07 むやみにリーンさせてはいけない
Aの方が深いリーンアングルで一見速そうだが、実はリーンのより浅いBの方がコーナーを速く抜けている。「バイクは寝かせれば曲がる」という考えでは、Aのように向きがあまり変わっていない段階ですでにリーンが深くなってしまっている。こうなると旋回力は落ちるし、スロットルが開けられないので、深くリーンしたままバイクの向きが変わるまでずっと我慢していなければならない。一方Bは、バイクを立たせて舵角を大きくした状態で旋回するのでいち早く向きが変わる。そのためスロットルの開け始めが早くなるし、さらにショートカットラインで有利。結果、Bの方がコーナーを速く抜けられるのだ。
■サーキットで実際にタイムを比較すると、立てて曲がる方が圧倒的に速いのは明らかだった。

14/04/11 シフトダウンの練習
逆チェンジ仕様のNSRだが、シフトダウンがうまく出来ないので師匠に相談。すると、Aのように、足の甲を水平にしてつま先を上下に動かしてシフトペダルを操作する一般的なやり方をしていないという。Bのように、足裏を車体に向けるカタチで足の甲を「縦」にして、つま先を「左右」に動かしてシフトペダルを操作すべし、と教えてもらった。
■ペダルが当たる位置は、親指付根の横。ここで手刀を切るようにチョップ、チョップという感じでペダルを押し上げる。

14/04/17 タンクを「横」に押すべし
師匠のフォームをあらためてチェックしてみると、「斜め前」ではなく、自分の思っていた以上に「横」に押している気がする。1.直線は身体をめいっぱい伏せる。2.ブレーキングで身体を起こしてエアブレーキをかける。3.外モモの付根でタンクを押す。この際、身体がブレーキングで前方に飛び出しているので、押す方向は「横」でいいのではないだろうか。4.そして上体はここまでインに預ける。自分よりも頭の位置が低い。前傾しながら横に押すということか・・・。
■師匠のリーンインフォームをコピーするのは難しい。

14/05/03 ウィリー練習 その1
気温25℃。天気も良いのでウィリーの練習など・・・。リアブレーキで押さえていても、セパハンタイプは一気にバク転しそうで恐い。
■1輪だけの走行をしてみると、2輪に戻した時の安心感が大きい。これはこれでコーナーリングに役立つ練習のような気がする。

14/05/12 ワキを閉めてブレーキングすべし
自分は図左のようにワキを開いた状態でブレーキングし、スロットルもドアノブ握りで回しているが、師匠はワキを閉めて走り、そのままブレーキングする。図右のようにワキを閉める意識で乗ればストレートで身体を小さくでき、タイムに大きく影響する空気抵抗を軽減出来るのをはじめ、様々なメリットがあると教えてもらった。ドアノブ握りでは実はフルスロットルが難しい上、前腕の筋肉だけで手首をひねるのですぐに疲れてしまう。しかし、ワキを閉めて回せば身体を伏せることで手首を深く回し込んでフルスロットルに出来るし、疲労してきても最悪、ヒジと肩の押し込みでスロットルを開けられる。ブレーキングに関しても同様で、ワキ開きフォームでのブレーキングだと前腕の筋肉をすぐに疲労させて、腕上がりを起こしてしまうのに対し、ワキ閉じフォームだと上腕や肩甲骨回りの筋肉といった前腕より大きな筋肉を使用することになるので、疲労が少なく、身体もしっかりと支えられるというわけだ。
■さらに自分が思う一番のメリットは、上体を確実にイン側にオフセットできる点だと思う。ワキ開きフォームだと無意識に身体を両腕の中心に戻してしまうのだ。

14/05/23 練習走行(ベストタイム更新)
90NSRで50分ほど練習走行。今回は自己流の考えを捨て、師匠の教えを忠実に守って走ることに専念。バイクを立ててショートカットコースを取り、コーナーをインインインで回り込む。バイクを寝かさず恐くなく走っているのに、思いっきり恐い思いをしてがんばった先回より3秒近くラップライムを縮め、ベストタイムは1:00.852。もう少しで1分を切れる。
■なぜ速く走れたのか、その理屈がようやく自分なりに分かった気がした。

14/06/16 目からウロコのブレーキング術
いままでA図の青ラインのように、ブレーキをリリースしながらバイクを倒し込んでいたが、それだと青矢印のように飛び出すバイクを外モモで受けて赤ラインに戻すのが大変。しかし今回、A図赤ラインのようにブレーキングを続けながらバイクを倒し込むと簡単に曲がってくれることが分かった。これまで90NSRが曲がらなくて苦労していたのに、まさに目からウロコ。さらにB図の青ラインのように奥までブレーキングして勢いを殺し過ぎると曲がり過ぎて困ってしまうくらいだった。
■あとで師匠からは「ブレーキのリリース前にスロットルを開け始める」という過激な教えも・・・。これでB図の青矢印を赤ラインに戻せるとのこと。

14/09/14 ウィリー練習 その2
バク転したくないので、少しずつ段階を追って練習してみる。低速から一気にポンッと上げると恐くてコントロールが難しく、また、スロットルオフでフロントが一気に落ちてしまうためフロントフォークにも良くない。そこで出来るだけスピードを上げておいて、そこから思いっきりスロットルを開けてフロントをリフトさせることに・・・。
■捲れる危険性が減って恐怖心も薄らいで来た。

14/10/05 サーキットでタイムを出すためには
ブレーキレバーを握ったままリーンして向きを変え切ること。これに尽きると思う。フルブレーキングでフロントフォークを縮めながらバイクを立ててコーナー奥へと進み、バイクが止まりそうになったところで、ブレーキレバーを握ったままゴロンとイン側に倒れるようにターン。この際、最後までブレーキレバーを握ったままにしてフロントタイヤの前進を止めておくと、Aのように大きな舵角を保ったままバイクはグルリと向きを変えてくれる。一方、リーンの途中でブレーキレバーを離してしまうと、Bのように舵角が消えてしまい、いくらリーンさせても極端に曲がらなくなってしまう。
■また、ブレーキレバーを握りっぱなしでもAならタイヤを回転方向に押していくカタチになるので保つのだが、Bだと横に押してしまい、しかも面圧が抜けているのでスリップダウンしやすいのだ。一旦止まってUターンするようなAの走り方をするだけで簡単に2、3秒もラップタイムが向上する。これは事実だ。

14/11/08 どんなコーナーでもブレーキを使う
この事が理解出来ていなかったのでサーキットですごく苦労していたが、師匠の教えで自分の間違いが分かった。さっそく練習。1速、2速と加速して、3速に入れて抜けるコーナーを設定。アケアケのコーナーなので、いままではブレーキを使わず一瞬のスロットルオフで曲がるきっかけを作ったり、さらにはスロットルを開けたまま抜けられないか練習してきたが、それは大きな間違いだった。リーンだけで舵角を付けようと思っても効果が薄いし、ブレーキングしないとフロントフォークが伸びていてフロントタイヤがすくわれてしまい危険。それが感覚的に分かるので、3速に入れてから全開に出来ない。そして深くリーンさせるので、いつまでもスロットルが全開に出来ないのだ。ところが、ブレーキングでフロントを縮めておいてリーンさせると、当然、舵角が強く付いて簡単に向きが変わる。そしてバイクを立てて曲がれるのでスロットルもいち早く全開に出来る。さらには、ブレーキでスピードを殺せると分かっているので、進入時、3速に入れて全開で突っ込める。これらの結果、コーナー全体で明らかに速く走れるようになった。
■またブレーキングによる速度ロスはとても小さいものだとも実感。「どんなコーナーでもブレーキを使う」。これが分かってから公道を走るのも簡単になって、ぐっと楽しくなってきた。

14/12/17 コーナーリングフォームチェック
苦手な45Rで見てみる。自分が思った以上にヒジを閉めているのは良い。これで上体がしっかりとインに入って荷重出来るフォームになる。しかし、イン足首が深く曲がっているのが気に入らない。これは車体に沿って「下」に押そうという意識があるせいだと思う。ここでもし足首が伸びていたら、それはイン足にまったく荷重されていない状態。つまりしっかりとバイクを「横」に引き倒していることになる。そうなれば相当なスピードでこの45Rを抜けられているのだが・・・。
■2014年、また少し進歩した気はするけれど、やはりまだまだ。さらにブレークスルーを目指してがんばりたい。

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