引き倒しの力を考えた2012

高い位置からバイクを引き倒すのが重要と考えた12シーズン・・・(12/01/08〜12/11/10)

12/01/08 具体的に脱力とは(イン側膝のロックを外す)
中腰になり、イン側ステップを想定してそちら側を脱力してみる。試しに小型体重計をその足の下において計測してみると、最初に30kgだった場合、脱力すると20kg以下に減り、次の瞬間全体重程度の60kgの値に跳ね上がった。この時、脱力とは具体的にどこの力を抜いているかチェックしてみると、それはただ一カ所、イン側のひざだった。あとの関節はそのままで、イン側ひざの「ロック」だけを外す感じ。すると支えの無くなった身体がいっきにイン側にくずれ落ち、そして次の瞬間、ドンッと全体重がイン側の足に乗った。ドンッというのは本当に地面に倒れてしまうのを避けるために再びイン側の足を踏ん張ったためだが、実際のバイクではドンッと踏ん張る必要は無い。代わりにフロントタイヤが内向してターンしていき身体とバイクが倒れるのを防いでくれる。
■リーンのきっかけとは、このひざ関節の脱力が重要だと考えた。逆にイン側ステップに乗り込むことこそ間違いの大元だと判断。

12/03/03 身体を高い位置のまま前に飛び込む
VF1000Rで、イン側のひざを引き上げてバイクの上の方に集めた身体の質量でリーンさせてみる。
■脱力で倒れ込む身体がバイクを引き倒すことを重視。そのためには上体だけを下げてしまっては効果がないと思う。

12/05/14 右コーナーをアウトアウトインで
気温24℃。上りの右ヘアピンコーナーで練習。いままではA地点でフルリーンさせてターンしようと努力していたが、ここで曲げようとするとその後が失速してしまう。そうしないために勢いを残して飛び込むと今度はリーンしてくれないし、その勢いで狭いA地点に飛び込むのは恐怖だった。そこでA地点はスムーズにやり過ごし、コーナー中盤からB地点に向けて上体を一気にイン側に飛び込ませてリーンする方法に変えてみた。フロントタイヤをアウト側に振り出してもまだ余裕がある位置まで進み、そこで顔面から路面に飛び込むようにリーンする。すると、上体がバイクを引き込むことと、バイクの自重によりきれいにリーンしてくれる。
■VF1000Rを使ってリーンの練習を繰り返す。考え方さえあっていればNSRと同じように走れるはずなのだが・・・。

12/05/18 バイクから離れてダイブしてはいけない
ステップに乗り込まないようにして、上体を前方イン側に飛び込ませてリーンする練習を続けていると、むやみに「飛び込ませて」いるだけではダメなことが分かった。エイヤッとバイクから離れてダイブしても、それだとまるで「空走」している感じで、次に身体がバイクをキャッチした時にバイクがどう旋回しているか運を天に任せたようなモノ。やはり飛び込むのと同じくらい素早くリーンさせながらも、身体はちゃんとバイクと一体化させ、最初から最後まで一緒になって倒れていくことが肝心だと思う。
■VFとNSRの違いに戸惑う。VFは自重でリーンするので、落ち過ぎないように身体をあまり預けない方が良かったし、NSRは身体をしっかり預けないとリーンしてくれないからだ。

12/06/12 90NSRで練習走行
ウォーミングアップ走行でスリップダウンしてがっくりしてしまう。折れて無くなってしまったブレーキレバー等を交換し、急いで再コースインするが、思ったよりまったくタイムが出ていないことにまたがっくり。写真チェックをすると、しっかり上体がインに入っていて、やりたいことは出来ている。それなのにタイムが上がらないのは残念ながら方向性が間違っているということだろうか。
■ステップ位置がかなり高く、そして軽い90NSRを高い位置から引き倒すテクニックがないため、どうあがいてもタイムアップのヒントが見つからない感じ。

12/06/27 90NSRで練習走行(リベンジのつもりが・・・)
たっぷりと作戦を練って再チャレンジ。コーナーを捨てて、ブレーキングをがんばって突っ込むことと、立ち上がり加速でタイムアップを狙ってみた。しかし・・・結果は、がっかりの先回と同じか少し悪いくらいのタイムしか出ていない。自分では作戦通りに走れたつもりなので、最悪でも少しはタイム向上のきざしが見えるはずだと予想していたのに・・・。
■90NSRをまともに乗ることが出来てないことを実感し、意気消沈。

12/07/04 夏期集中練習
Aはリーン開始直後。アウト側に壁を作るイメージで、それをぐぐっとイン側に倒し込む。また、バイクが旋回する抵抗でブレーキがかかるのを見越して、いままで以上のスピードで進入してみる。どうも「下」に身体を落とし過ぎのようだ。これは単純に恐いからなのだが、もっとイン側上方、接地面から遠く離れた位置に身体を持っていかなければダメだと感じた。Bはコーナー中盤。そんなに悪くはないか・・・。ここで柔道の払い腰のようにバイクをイン側へ巻き込むようにするといいかも知れない。
■勢いを保ったままターン出来るように練習。手加減することなく最初から思いっきりバイクを引き倒すようにすれば、必然的にそれに対抗する強い遠心力が必要となるわけで、結果、ターンに入るスピードが上がるはずだと考えてみた。

12/07/11 90NSRで練習走行(なにが悪いのだろうか)
今回は身体全体で遠心力に対抗するようにしっかりとバイクを倒すことによって、進入速度を高めようという計画。しかし、タイム的にはイマイチ。スロットルが開け切れていないのはたぶん立ち上がりのラインが悪いせい、という気がする。
■自分ではもっとタイムが出るはずと思っているので、どこがどう悪いかはっきり分からないのが辛い。コーナーリングスピードを重視するようにしてみたり、逆に直線を生かすためにコーナーを捨ててみたり・・・。しかし、結果が出ない。

12/07/13 夏期集中練習(これか、これなのか)
一瞬ブレーキを早く離す感じでバイクを前方に飛び出させておいて、すかさずそれを外ヒザでイン側に押し倒すようにしてリーンしてみる。向きが変わり遠心力でバイクがもんどり返る力に支えてもらって、ぐぐっとバイクと一緒に倒れ込む。するとどうだ、思いっきり体重を掛けてもある一定のリーンアングルで踏ん張るようにリーンが止まってくれる。自分としては、こんなに体重をかけてはフロントタイヤがそのままペタンと最後まで倒れてしまいそうで不安だったが、実際は、全体重を預けてぶら下がっても、起き上がろうとするフロントがしっかりと支えてくれた。この手応えはイイ。今度こそイケるかも知れない。
■身体で思いっきり引き倒すためには、バイクがもんどり返る逆の力が重要だと強く感じる。

12/07/18 90NSRで練習走行(師匠に走ってもらう)
師匠に90NSRに乗ってもらって比較検討。初めて乗るバイクで試走して1分0160というタイムが出てしまうのはさすが師匠。どんなすごいコーナーリングなんだと見てみると、安全マージンを十分に取って各コーナーとも出来るだけリーンさせないように走っている。とてもゆっくりに感じたのだが、あとで画像をチェックしてみると、例えば画像のコーナーでは自分が2.3秒で抜けているのに対して、師匠は1.7秒。同じタイムラインで切り出して自分と師匠のコーナーリングを合成してみると、先頭の位置でこれだけの差になった。
■いつまで経ってもタイムアップしないので、師匠にお手本を見せてもらう。正直、これはすごいDATA。師匠をそのまま真似して走れば簡単・確実にタイムアップしてしまうゾと思わずほくそ笑む。

12/07/25 バイクを立ててぐりぐり旋回
師匠の走りを真似すべく、88テラで練習。シフトダウンして直線的にインに突っ込み、そのまま出来るだけバイクを立てたままグリグリと旋回。これを練習しておくと、鋭い突っ込みと、ダブル頂点のターンが出来るようになる気がする。いままでは身体の荷重をバイクの中心軸に沿って接地面に向けていたが、これはイン側真横方向。クイックなターンでバイクが外側にもんどり返るのを身体で強く引き戻しながら走ると、タイヤをぐりぐりと擦り付けながら旋回する感覚になる。
■師匠の1コーナーへの過激な突っ込みを真似出来るように練習してみた。

12/08/24 ステップを20mmアップ
88テラのステップを前方に13mm、上方に20mm移動させてみた。意外なことに、いままで苦労してきた外ヒザを被せて回すことや、身体を高い位置に保ってイン側に入れ込むことが自然に出来てしまう。ステップが上がるとリーンが難しくなるというか、恐さが増すのではないかと予想していたが、実際は逆で、コントロールが明確になって恐くなく突っ込んで行ける。絶対に曲がってくれるという感触があるのだ。これは足部が上がってマスが上部に集中したことで簡単なきっかけで一気に荷重を落とし込め、バイクが確実にリーンとターンを始めてくれるせいだと思う。
■88NSRのステップ位置を90NSRに合わせて高くし、同じようなポジションを再現して練習。

12/08/26 朝練(ヒザを上げてぐりぐりと)
気温29℃。リアタイヤの削れ方がイマイチ。そこで出来るだけスロットルを開けてターンする練習をしてみる。Aは限界までフルリーンしてターンしてみた。内ヒザがどうしても下がる。また、スピードは出てもラインが大回りなので結局時間がかかるようだ。Bはヒザを上げて小回りのライン。この方がよりスロットルを開けてターン出来る感じ。それに走行距離が短い分、たぶん速いと思う。
■リーンを浅くし、そして内ヒザを上げてグリグリとターンする練習をしておいた方が良い気がした。

12/09/05 高い位置のまま倒れ込む練習
上体を伏せ、内ヒザは上げ、これでマスを上部に集中させたままリーン。上体を伏せて倒れ込むのが難しい。テコが短いのをカバーしようと力を込めると反力で上体が戻ってしまう。内ヒザを上げれば逆に上体は下がってくれるが・・・。曲がり始めのきっかけが弱く、倒れ込んでからの曲がり込みは強烈。これはうまく遠心力とつり合わさなければダメだ。曲がり込んでからスロットルをもっと大きく開けなければいけないのかも知れない。
■引き倒しの力をどう使えばいいかを考え続ける。

12/09/12 入り方の練習を続ける
外ヒザで回し込むようにすることと、それでいて身体はバイクに固定したままで倒れ込むことに気をつけて、入り方の反復練習。88NSRはどうやってもよく曲がるバイクなので、どんな入り方が正解なのか分かりづらい。ブレーキをリリースした時の勢いを外ヒザが受け止め、無理なくターンに持ち込めれば正解か・・・。
■とりあえず、入る瞬間の速度をどんどん高くしていってもコーナーに入れるように練習してみる。

12/10/20 入り方の特訓(身体をバイクから遠くに)
軽いバイクはスケボーのようだ。速いスピードでターンしようと思ったら、身体は大きくイン側にせり出してボードを回してやらないとスピードに対応出来ない。NSRも同じで、ラインはコンパクトでも身体は大胆に離さないと速い速度でのターンは無理ということか・・・。
■サーキットで師匠のような乗り方が出来るようにあれこれ特訓中。

12/10/23 入り方の特訓(サーキットで)
課題は1コーナーに直線的に突っ込み、ショートカットラインでぐりぐりとコンパクトに旋回すること。ダブル頂点のラインで戻って来れればいいが、鋭角に進入して、そこで曲がれないと身体が固まったままグラベルに直行必至。かなりビビリながら試してみたけれど、師匠の教え通り2速まで落として入ってみるとなんの苦労もなくターン出来てびっくり。90NSRが思うように、というか勝手に曲がってくれた。これで苦手だった1コーナーの進入まででしっかり1秒タイムアップしたが、他のコーナーでは逆にショートカットラインでの入り方がうまく行かなく、結局1分3秒42止まり・・・。
■一気にタイムアップはやはり無理だった。しかし、自分の間違っている点が分かった気もするので、またコツコツとやっていこうと自分に言い聞かせる。

2/10/31 入り方の特訓(挟んで曲げる)
高い位置からバイクをリーンさせるイメージが出来ない。フロントブレーキを引きずりながらリーン→スピードが落ち過ぎる。外ヒザで押し込むようにしてリーン→入口でクイックに曲げられず危険。脱力で上体を荷重してリーン→リーン不足で旋回力が引き出せない。そしてたまたま内足の押し込みを試したところ、これが目からウロコのターンに。もしかして、と気づいて今度は両足でバイクを挟み込み、これを支点にして上体をイン側に振り出してリーンしてみると、いままでの苦労がウソのように自在にバイクがコントロール出来るではないか。よく考えてみれば、空中に浮かんでいる身体でバイクを下に押して倒そうと考えていた今までがおかしかった。足で挟んでおいて上体の位置を変えるなら自由に出来るのだ。
■軽いNSRをどうしたら自在にリーンさせることが出来るか、それをあれこれ理屈をつけて検証を続ける。

12/11/10 悪戦苦闘(90NSR)
90NSRで50分ほど練習走行。今回は残りの少なくなったブレーキパッドを新品に替えたため、焼きを入れるためにじっくり慎重に走る。気温が低めなせいで、タイヤのグリップも不安でたまらない。そんな気持ちでいたせいか、攻め始めてからもタイムが出ない・・・バイクがリーンしていても全然曲がらないのだ。これは自分が身体をバイクに預けて加圧することが出来ていないから。一番の基本がまたおろそかになってしまった。
■自分のダメな点が分かっているだけに悔しい。仕方ない、また来期、練習し直すしかない。

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