フリー走行その33〜その37

 

その33 14/04/25 公道の走り方をサーキットに持ち込んではいけない

天気晴れ、13:00から50分の走行。気温21℃、湿度67%、風力3
メインジェット #175(リアバンク)----#178(
ロントバンク)
ジェットニードル J2BB-3段----J2BB-3段
スロージェット #42----#42
エアスクリュー 1+1/2戻し----1+1/2戻し
サスセッティング フロント/イニシャル5段目テンション5戻し、リア/コンプレッション1回転戻し、テンション3/4回転戻し
混合比1:40、
空気圧 前後冷190kpa、AVガス6L給油、12,000rpmまでなんとか回る。

搭載バッテリーが8年目を迎え、充電時間が長くなっていたので、新品に交換。これが今年、初サーキット走行。昨年中にエンジンのピストンリングを交換、リードバルブ交換、リアショックOH、ドライブチェーン交換臨む。まずはエンジンの慣らしで慎重に走ることに・・・。

走行前に様々な考えを巡らす。一番の課題として、完全に身体をバイクに預けてリーンさせること。そしてしっかりと外モモでタンクを押すことだ。そこで身体の使い方を整理してみた。図左のように身体は両手両足を支点にして自由に動けるのだが、「空中に浮いている状態」の走行中ではタンクを外モモで押しても反力で身体がアウトに移動してしまって、リーンアウトフォームになってしまう。そこで身体を先にインに移動させておいて、外モモを当てる。こうすることで上体の重みが全部タンクに掛かるのだ。外モモ部分を支えにして、イン側に落ちた身体を引き上げる感覚か。すると反力でバイクを押すことが出来る。

図右は、上体Aが倒れ込んだ時、外モモBがタンクを押す様子。ステップCにはあまり力は要らない。腹筋や大腰筋などを緊張させ、外モモで上体を支えようとするだけで良いはず。高い位置に身体を保ってリーンするのが恐いと思っても、身体を緩めて路面を迎えに行こうとしてはダメだ。

初走行ということもあって、スピードを押さえて走る。そして課題の荷重をしっかりと意識してみる。思った通りきれいなラインを描いて旋回するのだが、速度域が低いのでなんとも言えない。ラスト10分から全力走行をしてみると、ベストタイムは1:03.291と振るわなかった。エンジンやリアサスをOHした効果もほとんど分からないし、ギア比が合わないような感覚に戸惑ってしまった。

ブレーキリリース時の速度を高くし、勢い良くコーナーに入ってタイムをかせごうとしたのがまずかった。結果的に大回りなラインを走ってしまったようだ。早くブレーキを離そうとしてもなかなか出来ない。一見、スムーズに走ってはいるが、じっと我慢している時間帯が長過ぎる。

大回りラインだとどこまで突っ込んでいいか分からず、どうしてもブレーキングが甘くなってしまう。また、シフトダウンして突っ込んだ先がクリッピングポイントから遠いせいで、そこからの旋回加速でギアが合わなくなってしまった。さらに、フロントの加圧も弱いカタチだし、遅くなる要素ばかりを取り入れてしまったようだ。やはり緑ラインのように、直線的に突っ込んでいくラインを取らなければ・・・。せっかく前回、タイムを出すコツを掴んだのに、また元に戻してしまったのが悔やまれる。

の写真のように、それなりにコンパクトなラインで走ってはいるが、早くからフロントを寝かせた走りで、コンセプトがまるっきり違うのが分かる。あとで師匠に相談すると、サイドまで滑らかに溶けたフロントタイヤを見て「この使い方ではダメだ」、とバッサリ。そして、公道の走り方をサーキットに持ち込んではいけないと強く言われた。その逆なら、まァ、なんとかフィードバック出来る部分もあるそうだが、タイムを出す走り方としては、ワインディングロードを気持ち良くローリングするテクニックでは役に立たないと教えてもらった。さらに、OHする前と同じ乗り方をしないと、どう変化したか、どう効果があったかが分からないのでダメだ、とも・・・。まったくその通り、肝に銘じたい。

その34 14/05/23 パワーバンドをキープ出来れば、ワンランク上のタイムになる

天気晴れ、10:00から50分の走行。気温20℃、湿度66%、風力3

メインジェット #175(リアバンク)----#178(フロントバンク)

ジェットニードル J2BB-3段----J2BB-3段

スロージェット #42----#42

エアスクリュー 1+1/2戻し----1+1/2戻し

サスセッティング フロント/イニシャル5段目テンション5戻し、リア/コンプレッション1回転戻し、テンション3/4回転戻し

混合比1:40、空気圧 前後冷間時190kpa、AVガス4L給油、先回と同じ仕様だが12,000rpmを超えてパワフルに回った。

先回、自分勝手に余計なことを考えて平凡なタイムになってしまったことを反省。そこで師匠の教え通り、コーナーのエッジに向かって直線的にブレーキングして突っ込み、そこからインインインという感じで回り込むラインを取ることに専念。

結果は、自分のベストタイムを更新し、1:00.852という好タイムが出た。左の写真のようにバイクを立てたまま恐くなく走っているのになぜか速い。いままでその要因として考えていたことは3つ。1.ショートカットラインで走行距離が短くなる。2.コーナーエッジというはっきりした目標が出来るのでブレーキングにロスが無い。3.速度が低くても大きな舵角を付けてターンするので向き変えの時間が短い。しかし、今回これらに加えてさらに一番の要因が分かった。

それは、このショートカットラインを使うとパワーバンドをキープした走りが出来るということ。NSRは優秀なのでパワー曲線に谷間などないが、それでも2ストなので一旦6,500rpm辺りまで落とすと、スロットル全開にしてもトルクが薄くて8,000rpm辺りをなかなか越えられない。フルスロットルで加速しているのにいままでタイムが遅かった原因がコレだ。ところが今回は8,000rpm辺りからスロットルを開けるので簡単に10,000rpmまで持っていけ、そのまま12,000rpmまで引っ張ることが出来た。ここが一番美味しいところだが、コーナーでターンした時にタイヤがすでに立っているのでスロットルが早い時期から開けられることも手伝って、今回この美味しい部分にタコメーターの針が入ったままの時間が長かった。まるでワンランク上のバイクに乗っているようなパワー。これならタイムが向上して当然だ。このことがはっきりと分かって、ようやくショートカットラインを使うとなぜタイムが大幅にアップするかについて納得がいった。

ショートカットラインと同様に注意したのは、師匠から伝授してもらった「棒倒し」の実践。股の間に立てた棒を想定し、まずは上体をイン側に倒して外モモを棒に当て、そこから上体と外モモを使って棒を倒すイメージ。これがうまく行くと、身体をバイクに預けて強く倒れても、外側にひっくり返ろうとするバイクがぐっと支えてくれる。その際、バイクが立ったまま大きな舵角が付き、バイクはグリグリとターンする。

今回は何回か棒倒しの良い感覚があったけれど、何回かは失敗した。あとで考えてみると、上体が残ってバイクだけを早くリーンさせてしまい、リーンアウト状態になってしまうのが問題のような気がした。そして、インインインへ巻き込むラインを意識すると少しリカバリー出来たのは、コーナーのイン側に寄ろうとする意識が上体を動かし、リーンイン状態に戻ったからだと思う。いずれにしろ、次の課題は棒倒しを確実に出来るようになることだと感じた。

下りの3コーナー。ここはブレーキング無しなのでリーンインでバイクを立てながらコーナーのエッジを目指す。スロットルを一瞬戻してターンのきっかけにしても、十分パワーバンドに入っていれば減速無しで勢い良く進んでくれることも分かった。これは後半の45Rでも使えるテクニックだと思う。

バイクを立ててコーナーリングすると、広い接地面を使えるのでいち早くスロットルを開けられる。逆にエッジを長く使うような旋回をしてしまうと、なかなかスロットルが開けられないのだ。

S字コーナーへの入口。ここで4速から、3速→2速とシフトダウンするのだが、2速に入らないトラブルがたまに起きてしまう。大きくペダルをストロークしても反応しないのだ。この原因をあとで師匠に聞いたら、スロットルのあおりが足りないせいだと教えてもらった。特にスピードが乗ってくると3速へのシフトダウンでギアの回転がかなり高くなるので、次の2速へのシフトダウン時にギアのドッグが噛み合ないほどの回転差が出来てしまうとのこと。

実は自分は、ここであえて低いエンジン回転で無理矢理ギアを落としてエンジンブレーキを効かせるクセが付いていた。2ストのエンブレはリヤタイヤのロックが恐くないので、これでスピードコントロールしようという考えだったが、これが間違いだった。

シフトダウンで大きくあおればそれだけ回転数も高くキープ出来るだろうし、これはすぐに改善しなければ。また今回、バックストレートでもタコメーターの針が12,000rpmを越え、いい感じにパワーバンドを使えていた気がするが、まだインフィールドコースで7,000rpm以下に落としてしまうことが多く、この辺りを修正出来れば、1分を切ることも可能だと思う。

今回もうひとつ試したのはやはり師匠の教えの「ワキを閉めて走る」ということ。こうすることでストレートで風圧を軽減するフォームが作れるわけだが、たしかに少しの直線でも身体を小さく出来、いい感じなった。そしてブレーキングがとても楽になったのも実感。前腕でなく背筋で身体を支えられるフォームになるからだ。さらに、フルスロットルも自然に出来るようになって、良いことだらけだった。ただ、棒倒しの際のワキ閉めによる効果については余裕が無くて検証出来なかった。イン側のワキを閉めていれば、師匠のようなリーンインなフォームに近づけると予想していたのだが・・・。

その35 14/06/13 キャブセッティングをしっかりしないと台無しになる

天気晴れ、11:00から50分の走行。気温25℃、湿度70%、風力4
メインジェット #175(リアバンク)----#178(
ロントバンク)、ジェットニードル J2BB-3段----J2BB-3段
スロージェット #42----#42、エアスクリュー 1+1/2戻し----1+1/2戻し
サスセッティング フロント/イニシャル5段目テンション5戻し、リア/コンプレッション1回転戻し、テンション3/4回転戻し
混合比1:40、
空気圧 前後冷190kpa、AVガス5L給油。9,000rpmあたりから回転の上昇が悪い。10,000〜12,000rpmでうまく燃えず、パワーバンドが有効に使えていない状態に。気温20℃の先回と同じでは濃過ぎた。

先回、ラップショットの磁気センサーの位置をテストして、ラジエーターサイド辺りなら誤動作無しでイケることが分かった。今回はコケても大丈夫なようにその位置でカウル内にセット。これでも無事に作動した。

改良型の高感度センサーのせいか、いままでコース内の余計なところで反応したり、ひどい時はピットエリアでエンジンを掛けただけで反応してしまっていた。原因は不明だが、チェーンやミッション、それにピストンなど「移動する」金属部品によって磁界のゆらぎが起こり、それが誤動作につながっていると判断。路面から50cmくらい離れても大丈夫なので、とにかく動く金属から離すことが良い結果につながったと思う。

今回は、予想よりも気温と湿度が高くなってしまい、ジェッティングをミスしてしまった。朝、現地でレーシングした時の吹け上がりの感じと音で、少し濃いとは思ったのだが・・・。中間域で吹け上がりのスピードが遅いので、ニードルも微妙に合っていなかったし、なにより10,000rpmから上がチョークを引いたようにバリバリいってうまく燃えないのは、あきらかにメインジェットが合っていなかった。残念だが、いままでの自分のラップタイムだと分からなかったレベルなので仕方ない。今後は走行前のレーシングで判断して、躊躇なくジェッティングを変更するようにしよう。

ラップタイムは1:02.745がベスト。ストレートで伸びないので仕方ない。ベストタイムの更新は早々と諦めて、確実にターン出来るよう練習することに・・。

まずはイン側ステップのエッジに足を掛ける方法を試す。確かにこれはイイ。確実に上体をバイクのイン側に引き込めるので安心してコーナーに入ることが出来た。ただ、バイクのセッティングが完調ではないのでターンの正しいタイミングの練習にならないのが辛いところ。

次に、1コーナーへ5→4→3とシフトダウンして飛び込み、コーナーを抜けてからさらに2速に落としてターンする方法を検証。

結果から言えば、これはまったく出来なかった。リーンしながらシフトペダルの下につま先を潜らせることが今の自分では出来ない。あとで師匠に報告したら、必ず出来るようになると言われたが・・・。その代わり、イン側のステップを踏み外してリーンするような経験をすることで、外モモでタンクをしっかり押し込む感覚が良く分かったのは収穫。

そして、45Rから外へはらんで加速し、次の第3ヘアピンをアウトから回り込む方法も検証。いままでリーンしながらコーナーにアプローチしてしまうと、そこからさらにリーンさせるのが恐くて出来なかったけれど、今回、ブレーキングすることで一旦バイクを立てる、いわゆる「ためる」感覚が掴めたので、なんとかターンに持ち込めるメドがついた。ただ、アウトから攻めてもあまりアドバンテージが無いようなので、ここはやはりインへインへと狙っていくショートカットラインに徹した方が良い気がした。

最後に目からウロコだった発見は、ブレーキレバーを握ったまま外モモで押す荷重動作を始めれば、何の苦もなく確実にターン出来るという事実。実はいままでブレーキレバーをリリースしながらバイクをリーンさせていたので、前へ進んでしまうバイクをいかに外モモで引き倒すかで苦労していたわけだが、なんのことはない、ブレーキングしたまま思いっきり荷重を掛け始めるだけで良かった。「空走」時間が無くなり、簡単にターンに持ち込める。また、ブレーキングでバイクの立ちが強くなっているので、あのバイクに身体を預けてターンする感覚も最初からしっかりある。そして、そこからブレーキをリリースすれば、一気にイン側に巻き込むので、これなら絶対に曲がれる。
上の写真は、ブレーキをリリースし、バイクが一気にリーンを深めながら回り込む瞬間。イン側ステップの足の置き方が師匠と同じなのがイイ。ただ、ブレーキリリースでリーンし過ぎるため、上体がアウト側に戻っているのが師匠のフォームと違うところ。

あとで師匠に、このブレーキングしたままリーンする方法について聞いたところ、「それは意識していない。意識しているのは、ブレーキを離すのはスロットルを開ける時、スロットルを開け始めてからブレーキをリリースするということ」。と、衝撃の答え。ブレーキングしたままリーンするどころではない。もっと先の段階までブレーキレバーを握っていたのだ。だからバイクが寝ることなく、上体が常にイン側にずれてバイクを引き込むフォームになる。そしてタイムラグ無しでスロットルを開けて加速するので、バイクはさらに起き上がっていくのだ。こうして最後の最後までブレーキングするとなると速度が極端に落ちてしまうので、ブレーキングの開始時期をずっと遅らせなければいけない。つまり、いままでブレーキング区間だったところをまだまだストレート区間として走り込めるというわけだ。これはぜひマスターしなければ・・・。

その36 14/06/26 基本の整備でミスをしないこと

天気晴れ、10:00から50分の走行。気温26℃、湿度80%、風力3

メインジェット #172(リアバンク)----#175(フロントバンク)、ジェットニードル J2BC-3段----J2BB-3段

スロージェット #40----#40、エアスクリュー 1+3/4戻し----1+1/2戻し

サスセッティング フロント/イニシャル5段目テンション5戻し、リア/コンプレッション1回転戻し、テンション3/4回転戻し

混合比1:40、空気圧 前後冷間時通常190kpa、AVガス6L給油。夏のセットだったが、上が回らない。音量規制のためサイレンサーを絞ってあるので、既存のDATAは参考にならないようだ。また、空気圧を落とすのを忘れ、フロント240kpa、リア230kpa(温間時)というとんでもない数値で走ってしまったのが痛い。

走行前にレーシングしてみると、7,500rpm辺りで少しタコメーターの針がフラフラするので薄いのかも、と不安に。しかし、11,000rpm辺りで重いし、12,000prmで頭打ち。なにより音がすっきりと吹けた音ではないので、やはり濃いのでは・・・結局そのまま走り出したら、案の定、上で回らなくてジェッティングが濃かったのを知る。

さらに、ジェッティングのことばかりに捕われていたため、走行前にタイヤの空気圧を落とすのを忘れ、パンパンの空気圧のままで走ってしまった。タイヤが跳ねまくったけれど、空気圧に気づいたのは走行後。こんなグリップのない状態でよく走れたと思うが、バイクを立てて走っているのでイケてしまったのだ。タイムは1.01.750止まり。基本の整備でミスさえしなければ、確実にタイムが詰められそうな予感があっただけに、本当にバカなことをした。

フロントブレーキをかけたまま上体荷重で倒しこめば、確実にターン出来るのはよく分かった。スロットルを開けるまでブレーキングしているので、どんどん速度が落ちる。それをカバーするために早めにスロットルを開けるとバイクがまた立ち、結果、ほとんどバイクを寝かさないでターン出来るようになってきた。また、速度は落ちても脱出でクルッと回頭出来ていれば、即スロットルをワイドオープン出来るラインになるので、これがタイムアップにつながりそうだ。写真は完全に向きが変わった状態でクリッピングポイントに寄っているところ。あとはスロットルを思いっきり開けるだけなのだ。

とにかくバイクを立てて入りたいので青ラインで突っ込む。直線ラインなので急制動しながら進入出来るのだ。そしてさらにバイクを立てたままコーナー奥へ行こうとして、カクッと曲がるようなラインを描いてインへと進む。ここまでハードブレーキングしたままなので速度はかなり落ちてしまうが、それでもクリップでクルッと回ってからの脱出が速いのでトータルではかなり良い感じ。

しかし、ブレーキングが長過ぎて回転数が落ち過ぎてしまうので、師匠の乗り方とはたぶん違っていると思う。ブレーキングしながらの直線的な突っ込みで部分で、横荷重を掛けていないのが問題だと予想。赤ラインの破線をイメージしていままでより高いスピードで入りつつ、早い段階で上体の横荷重を掛けて赤ラインの実線のように曲げて行くのはどうだろうか? すると、ブレーキングのタイミングもスロットルを開けるタイミングもすべて縮められ、回転数の落ち込みが防げる気がする。いまの自分にはブレーキングしながらラインを曲げていく技術がないのがネックだと思う。

走行後にプラグチェック。碍子の焼けをみると熱値は良いと思うけれど、肝心の混合比は、プラグの縁が湿っていてカラッとしていないので、やはり濃い状態だった。これはリアもフロントも同じ。

見かねた師匠が、シリンダーヘッドを開けてピストンヘッドの焼け具合をチェックしてくれた。ジェッティングをチェックするのはピストンヘッドの焼けで見ないとダメだと常々言われていたのだが、この90NSRにはMC28用のHRCキャブレターボックスが使われていて、エンジン上部分が完全に覆われていたため、いままでおっくうがってやっていなかったのだ。次回からは整備性を良くするために、キャブレターボックスの前部を思い切って外して、簡単にシリンダーヘッドにアクセス出来るようにしておいた。

リアのピストンヘッド(図左)の縁1cm程度がぐるっと金属面が光っていて、すすけた感じがない。師匠によるとこれは中間域で薄いとのこと。ジェットニードルが太いのが原因。たしかに今回、リアだけジェットニードルをJ2BBから、J2BCに変えたので、この太いCのニードルの影響でリアだけ中間域が薄くなったのだ。
ちなみに、リアとフロントのジェットニードルを異なったモノにするとセッティングが迷走するので合わせた方が良いとのこと。ということで次回は中間域の焼けの良いフロントピストンヘッド(図右)と同じ
J2BBでリアも行くことに。

そして問題の高回転域をつかさどるメインジェットの状態はピストンヘッド中央の焼けでチェック。ここがこんがりトーストのようにカラッと焼けていればOK。しかし、チェックしてみると少し湿った状態で、やはり濃い。これはリア、フロントとも同程度の状態だったが、師匠によるとはっきりと差が出るのは10番違いくらいからということなので、#172と#175今回のケースではこんなモノだろう。また、メインジェットも同様に同じ番数で行くべきだと教えてもらった。
ということで、次回はメインジェットはリアもフロントも#168で行くことにする。

走行その37 14/09/22 スロットルを全開にしないとタイムは出ない

天気晴れ、13:00から50分の走行。気温28℃、湿度60%、風力3

メインジェット #168(リアバンク)----#168(フロントバンク)、ジェットニードル J2BB-3段----J2BB-3段

スロージェット #40----#40、エアスクリュー 1+1/2戻し----1+1/2戻し

サスセッティング フロント/イニシャル5段目テンション5戻し、リア/コンプレッション1回転戻し、テンション3/4回転戻し

混合比1:40、空気圧 前後冷間時190kpa、AVガス6L給油。気温が思った以上に高かった。メインジェットを大胆に絞ったけれどまだ濃かったかも知れない。11,500rpmまで回り、上で伸びたが、下のトルクが無くなった。音もまだパンチのある乾いたサウンドではなかった。

今回のベストタイムは1:02.62。先回より0.85遅い。その原因は、スロットルをストッパーに当たるまできっちり開け切れなかったせいだと思う。次のコーナーのブレーキングポイントでグワッと伸びが起こるセッティングになっていたので、これがとても恐く、タイミングとリズムが取れなかった。以下の4カ所が主な恐怖ポイント。ここを恐くなく走れるようになれば、おのずと全開区間が多くなり、タイムが向上するはずだ。

45Rから第3ヘアピンにかけてスロットル全開に出来る区間を作るのがタイム短縮のキーポントだと思う。45Rのアプローチでバイクがリーンしているとフロントフォークが縮められないので、ここでしっかりとフロントフォークを縮められる体勢にすること。そうすれば45Rの直前まで3速フルスロットルが使えるし、同じように第3ヘアピンのアプローチでしっかりフロントフォークが縮められれば、45Rから第3ヘアピンまでアケアケで行ける。

フロントフォークを縦に押せるようバイクを立ててブレーキングするためには、1.脇を締めてブレーキングをする。2.後傾姿勢にならないようにする。3.身体を伏せることでスロットルを全開する。以上3つが重要だと思う。

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