フリー走行その38〜その42

 

その38 14/09/30 突っ込みだけがんばってもタイムは出ない

天気晴れ、10:00から50分の走行。気温25℃、湿度75%、風力3

メインジェット #168(リアバンク)----#168(フロントバンク)、ジェットニードル J2BB-3段----J2BB-3段

スロージェット #40----#40、エアスクリュー 1+1/2戻し----1+1/2戻し

サスセッティング フロント/イニシャル5段目テンション5戻し、リア/コンプレッション1回転戻し、テンション3/4回転戻し

混合比1:40、空気圧 前後冷間時190kpa、AVガス6L給油。現地の温度計は終了時に31℃に。予報以上に気温が上がり、まだ少し濃い状態だったかも知れない。しかし12,000rpmまで回り、排気音もパワー感のあるものになった。

今回はスロットルをきっちり開け、直線でのスピードを出す作戦で臨んだ。また、止まれないとスロットルを開けられないので、身体が後傾にならないように気を付けて路面に対して垂直にフォークを押してブレーキングすることに気をつけた。

写真は下りの3コーナー。ヒジを使ってスロットルを一所懸命開けている。そしてステアリングヘッドに遅れないよう、上体を前に出してバイクごと突進しているのが良く分かる。

しかし、がんばって直線のタイムを詰めたのにタイムは1分5秒程度でとても遅い。なぜだ。

途中で乗り方を変え、コーナー奥までブレーキを握りしめながら、最後にバタンを倒す方法に切り替えてみた。するとみるみるタイムが上がり、1分1秒台がコンスタントに出るようになってきた。ベストは1:01:540。上での伸びにやや欠ける今日のセッティングでこのタイムなら良いと思う。それにしても、コーナー脱出地点で一旦停止するぐらいに速度を落とすのにタイムアップするなんて驚きだ。しかしこれで、コーナー脱出で完全に向きを変え切ってから立ち上がった方が絶対に早いということがはっきりした。

写真右は以前撮影した師匠の画像を合成したモノ。自分は進入速度を高めることばかり考え、3コーナーをカットイン気味にかすめていたが、師匠は早めの向き変えを狙っているのが分かる。また今回、自分のインヒザが閉じ気味なのは、バイクをイン側に回す意識が無いせいだ。

第2ヘアピンの脱出地点。ここでぎりぎりまでスピードを落とし、フロントブレーキを握ったままバタンと倒れ込んで完全に向きを変える。もっと速く走ろうと試しにブレーキを早めに離してみると、向き変えが完全に終わらず、大回りをするハメになってしまった。そしてフロントタイヤを余計にプッシュして危険だった。

師匠いわく、「ブレーキを握ったままでもちゃんと旋回してくれる」。つまり向き変えは最後までブレーキを握ったまま行うのが正解ということだ。

第2ヘアピンに直線的に進入する際、出来るだけバイクを立てたまま奥まで進みたい。途中で勢いがなくなり曲げ始めると、コーナーの脱出のエッジをクリア出来るポイントまでたどり着けないからだ。そのためにはリーンインフォームでフロントを立てて、出来るだけバイクが寝るのを防ぎながら進入する。写真はそれが出来ていなく、リーンウィズフォームになってしまっている。もっとバイクを起こしたフォームが出来るはずだ。

青いラインのように脱出で手間がかかってしまえば、1秒、2秒と遅くなることが今回はっきり分かった。脱出ラインを逆走するように考えてみると、これは遅くなる進入ラインそのもの。なので、進入ラインを詰めることでタイムアップしたのと同様、この脱出ラインを直線的なモノに変えれば、大幅にタイムアップするのも道理だ。

コーナー奥へ急制動のように突っ込んで、フロントブレーキでバイクの前進を止めたままUターン、そして全開ダッシュというのが、こういった小さなコースでタイムを出す極意だと理解した。

その39 14/11/11 横荷重をもっと大胆に掛けるべきだった

天気微雨のちくもり、13:00から50分の走行。気温16℃、湿度65%、風力南西1

メインジェット #168(リアバンク)----#168(フロントバンク)、ジェットニードル J2BB-3段----J2BB-3段

スロージェット #40----#40、エアスクリュー 1+1/2戻し----1+1/2戻し

サスセッティング フロント/イニシャル5段目テンション5戻し、リア/コンプレッション1回転戻し、テンション3/4回転戻し

混合比1:40、空気圧 前後冷間時190kpa、AVガス6L給油。12,000rpm超えまでストレス無く回る。ただ、中速のパンチが若干弱く、少し薄い感じも受けた。弱雨が降ったが路面は濡れず、タイヤの発熱も十分だった。ラジエーターにガムテープを2本、これで水温70℃に。

今回のベストタイムは1:01.34。残念ながら1分を切れなかったが、先回、パルスジェネレーターの故障で走れなかったことを思えば、バイクが復活して無事走行出来ただけでも上出来。今回は基本に忠実に走ることに努め、脇を締めてしっかりとブレーキングすること、ショートカットラインでイン側エッジに飛び込むこと、ブレーキングしながらリーンすること、スロットルをいち早く全開にして立ち上がること、に気をつけた。さらに、いままでノーブレーキで進入していた3コーナーと45Rでブレーキを使うように変更。
結果、写真のようにバイクを立てたコーナーリングで微雨の中でも安全に走れ、またストレート部分では目いっぱいに近い速度が稼げたと思う。反省としては、過去の握りゴケのトラウマで、ブレーキングしながら横荷重するのが苦手になってしまっていたこと。バイクを縦に押す意識が強過ぎたせいもあると思う。

雨でもタイヤの発熱は十分。実質のグリップは晴れと同じだったと思う。リアタイヤの中間トレッドの荒れ模様が良い感じ。エッジは微妙に余裕があったので、やはりもう少し深いリーンでパワーを掛けることが出来たと思う。

フロントタイヤももう少し無理出来たかも・・・。過去にフロントから一気に滑ったことによる恐怖感を払拭するために、もう少し走り込む必要がありそうだ。たぶん、スロットルを早く開けて行くことでなんとか克服出来ると思う。

プラグチェック。フロントもリアも碍子脚部がこんがりと焼けていて良い感じだった。高回転まで回り過ぎな感じがして、#168のメインジェットでは薄過ぎたのではないかと心配したのだが・・・。

リアバンクのピストンヘッドの焼け具合。ヘッド周辺部にプツプツとデトネーションの跡があった。師匠によるとこれは中間域が薄い証とのこと。確かに中間加速のパンチが弱くて、タコメーターの針だけが一気に上昇していた。また、メインジェット領域の状態が反映されるヘッド中央部はこんがりと良い感じに焼けていて、メインジェットは合っているとのこと。ということは逆に、バイクのストレートの伸びはこれが限界ということか。あと1秒ちょっとのタイムアップは自分自身のテクニックでなんとかしなければ・・・。なおフロントバンクの焼け具合は問題無し。

今回はバイクのトップスピードは十分だったはず。いままでセッティングミスでタイムが出なかったことも多かったので、一度ベストセッティングで試してみたかった。今回のタイムは純粋に自分のいまの実力だろう。

今回はバイクを縦に押す意識が強過ぎて、外側にひっくり返る力を意識出来なかった。そのため十二分に身体の荷重をバイクに掛けてリーンさせることが出来なかったと思う。たぶん、リーンインフォームになっていない点が問題だと想像した。次回走行に向けて、中間域を濃くするためJ2BBのジェットニードルから、細いJ2BAに交換(リア、フロント共)。

その40 14/11/17 しっかり旋回する事を心掛けたら逆に遅くなってしまった

天気くもりのち微雨、13:00から50分の走行。気温14℃、湿度62%、風力西北西2
メインジェット #168(リアバンク)----#168(
ロントバンク)、ジェットニードル J2BA-3段----J2BA-3段
スロージェット #40----#40、エアスクリュー 1+1/2戻し----1+1/2戻し
サスセッティング フロント/イニシャル5段目テンション5戻し、リア/コンプレッション1回転戻し、テンション3/4回転戻し
混合比1:40、
AVガス6L給油。空気圧 前後冷時190kpa時前210kpa・後215kpa、ラジエーターにガムテ2本70℃、3本では80℃に。Aニードルにして燃焼はOK、しかしタイムは1.02.41と、満足のいくものではなかった。

サーモスタットレス仕様なので、ガムテープでラジエーターを塞ぐ。3本では水温80℃、少し熱い気がしたので2本に減らし70℃に。またタイヤは冷間190kpa、走行直後は
210kpa・後215kpaだった。これならOKだと思うが、もう少しエアーを下げても行ける気がする。

今回はコーナーでしっかりと旋回して向きを変え切ってからスロットルを開けるように心掛けてみる。その方が結果的に速いと考えたからだ。エンジンは12,000rpmまでスムーズに回る。ブレーキングを始めて一番面圧が高い安全な時に思い切って横に倒す荷重を掛けるようにしてみた。すると初期段階からラインが曲がり、とても楽にコーナーを抜けることが出来るようになった。しかし、タイムが全然上がらない。なぜだ。
走行時間の最後で雨が降り出したし、タイムが向上する気配が無いので早めに切り上げた。自分では乗れていると感じているし、ジェッティングも合っていると思ったのに、きつねにつままれたような気分で終了。

ということで、これは気温が低過ぎて、ジェッティングが薄かったに違いないと判断。回転だけ上昇してトルクが無い、それでスピードが乗らなかったせいだと・・・。しかし、プラグを見ると、碍子脚部はきつね色に焼けていて良い感じだし、接地電極も端から1.5mmほどの白い焼けで良いと思う。

エンジンを開けてピストンヘッドをチェックしてみる。こちらはリアバンク。師匠によると、燃焼はOKとのこと。ピストンヘッド周囲は少し濃いかも知れないけれど(今回はAニードルにして、中間域を濃くしておいた)、全体には良い焼けだと言われた。とすると遅かった要因は自分の走り方ということになる。

こちらはフロントバンク。燃焼OK。

あとで走り方を冷静に考え直してみると、旋回を優先したあまりに、いままで直線として突っ込んでいた部分からバイクをリーンさせてしまい、それでブレーキングが甘くなったのでは、という気がしてきた。タイムが出た時の走りは、もっと進入時にバイクが立っていたし、ブレーキングもキツかった。やはり、バイクをリーンさせては減速、加速とも不利なのだ。

次回は、とにかくバイクを立てギリギリまでブレーキングして突っ込み、そして加速も出来るだけバイクを立ててスロットルを全開出来るような走りを目指そうと思う。

その41 14/11/28 曲げる自信がないとやはり突っ込めないかも

天気晴れのち微雨、11:00から50分の走行。気温15℃、湿度80%、風力南南西1
メインジェット #168(リアバンク)----#168(
ロントバンク)、ジェットニードル J2BA-3段----J2BA-3段
スロージェット #40----#40、エアスクリュー 1+1/2戻し----1+1/2戻し
サスセッティング フロント/イニシャル5段目テンション5戻し、リア/コンプレッション1回転戻し、テンション3/4回転戻し、フロントブレーキパッド新品
混合比1:40、
AVガス4L給油。空気圧 前後冷時190kpa、ラジエーターにガムテープ3本で水温80℃。タイムは1.01.640。

回まで使用していたHRCのフロントブレーキパッドの消耗が進んでいたので、ホンダ純正に交換。HRCパッドが廃番で手に入らないからだが、ホンダ純正も効きにまったく遜色が無い感じだった。キャブのセッティングも合ってきているので、あとはライダーのがんばりでタイムを出すだけ。師匠からも「ライダーが攻める」という意味深長な言葉をもらった。

いうことで無策で臨む。思いっきり急制動で直線的に突っ込むことと、いち早くスロットルを全開にすることを頭に入れて、あとはただ速く、速くという感じ。
しかし、いまいちタイムが上がって来ないのは、自分がコーナーで無駄に減速し過ぎるからのような気がする。ついバイクのセッティングのせいにしたくなるけれど、プラグの焼け具合は良し。心配していた薄過ぎという様子は無い。
※写真左:リアバンク、右:フロントバンク

ンジンを開けてピストンヘッドをチェックしてみる。師匠によると中間域が少し薄いとのこと。たしかに周辺部の焼けだけ進んでいる。今回も中間域が一番濃いAニードルだったのだが、それでもまだ薄いということか・・・。
※写真はリアバンク

ちらはフロントバンク。メインジェットの影響が出る中央部はどちらかというと濃い目傾向にあるということで、次のセッティングが難しい。メインジェットを1ランクアップさせ、Bニードルに戻そうか。

回、走行中に「なぜいまスロットルを全開に出来ないのか」、その時の感覚をチェックしていた。その結果、この先でバイクを思い通りに曲げられない恐怖が原因だというのが分かった。これまでコーナーのインエッジに直線的に入るラインを使って「前方に十分な空きスペースを作る」ことで、スロットル全開をしやすくしてきた。さらに「インエッジに向かってバイクを立てて急制動で突っ込む」というブレーキングのテクニックでも同様にスロットル全開がしやすくなった。しかし、バイクを立てて縦に押す感覚を増していった結果、曲れる感覚が薄くなり、それで必要以上に減速してしまうのではないかと反省。

バイクを旋回させると遅くなるのは経験済みだが、バイクを立てながらもう少し速度を残したまま突っ込みたい。そこで図左のようにバイクを立ててコーナーエッジに直線的に突っ込みながらも、肩をイン側に平行移動させ、まっすぐ進むバイクより斜め内側に上体が進むようにする。ブレーキングしながらこれをやるとバイクを強く引き込んで曲がって行けるはずだ。これで勢い良くコーナーに近づいてもバイクが必ず曲がるという感覚が持てれば、恐怖感無くそこまでスロットル全開で進めるという理屈だ。

図右のように、フロントフォークが押し上がる感覚についても考えてみた。ライダーが肩の移動を使ってバイクを誘導しつつリーンすると、ライダーから見てバイクのフロントが一旦アウト側に出ていくが、ブレーキングで強く舵角が付いているので、ブレーキをリリースする頃になるとフロントタイヤがリーンしたライダーの下に向かって曲がり込んでくる。この時、フロントフォークが胸の方に押し上がってくる感覚が生まれる。こうなれば即スロットルを全開に出来るので、常にこの感覚があるように走りたい。

その42 14/12/09 ライダーが頑張るしかない

天気晴れ、13:00から50分の走行。気温12℃、湿度70%、風力西4
メインジェット #175(リアバンク)----#175(
ロントバンク)、ジェットニードル J2BB-3段----J2BB-3段
スロージェット #40----#40、エアスクリュー 1+1/2戻し----1+1/2戻し
サスセッティング フロント/イニシャル5段目テンション5戻し、リア/コンプレッション1回転戻し、テンション3/4回転戻し、リアブレーキマスターシンダーOH
混合比1:40、
AVガス5.5L給油。空気圧 前後冷時190kpa、温間時フロント205kpa/リア215kpa、ラジエーターにガムテープ2本で水温65℃(3本の方が良かった)。タイムは1.01.900。

先回、中間域が薄かったので、さらに気温が低い今回はメインジェットを#168から#175にアップそしてニードルはBに戻した。はたしてこれでセッティングはどうなるか・・・。

走り出してすぐに先回終盤に出た1万回転でのボコ付きが・・・。いわゆる濃い状態な感じ。そこを過ぎれば12,000rpmまでなんとか回るので、ひたすら我慢してスロットルを開け続ける。今回はバイクを立てながら直線的にコーナー奥まで走り込んで、そこから外に向かうバイクを上体のイン側オフセットで引き戻す作戦。上体の動きで積極的にバイクをコントロールしようというわけだが、写真を見ると割と良い感じでリーンインになっている。

欲を言えば、イン側のヒザを高く上げたい。そうすると反力で上体がさらにイン側に寄るはずだ。さらには、ワキを締める意識をもっと強めると良いと思う。そうすれば、ブレーキングも楽になるし、その後のバイクコントロールも明確に出来ると思うのだ。

プラグを見ると、焼けはまぁまぁか。少し濃いかも知れないけれど、プラグチョップしてチェックしたわけではないので、こんなものだろう。左:リアバンク、右:フロントバンク。

アバンクのピストンヘッド。師匠によると焼けの状態はこれでOKとのこと。中央部から周辺に向かって全体的に焼けが広がって、やや乾き目。そして周辺部だけの焼けも無い。ということで、メインジェットもニードルも合っていたということになるが、だとするとあの妙なボコ付きの原因はなんだったのだろうか? エアソレノイド系の詰まりや故障かも知れない。これは要チェックだろう。

ちらはフロントバンク。同じくOK。中央にカーボンが積層しているが、いい状態で焼けてくるとこれがパリパリと剥がれてくるらしい。

今回もバイクの状態がイマイチだったが、ライダーが頑張ればそこそこのタイムは出るようだ。それにしても師匠の奥義「棒倒し」は素晴らしいとの認識を新たにした。いろいろ工夫しても結局、棒倒しの技術に行き着く。あとはいかにこの技術を自分のモノにするか、だけのような気がした。

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