ミニバイク耐久レース 10春

2010/05/05、7回目の3時間耐久ミニバイクレース参戦。天候晴れ、コースコンディションドライ。メインジェット#110、プラグ8番、空気圧フロント130kpa、リア140kpa。今回から2ストオイルをカストロール747からモチュールの800 2Tに変更した。混合比は1:40。am9:00、公式予選スタート。気温はすでに20℃、湿度50%。リードバルブを新品にしておいたが、そのせいかスロットルのレスポンスが素晴らしくいい。ただ、回転の落ち込みが速いし、パワーバンドが上にずれた感じでけっこう乗りにくい。

「リーン開始時に膝を落とさずに、リーンウィズ感覚で走ること」を課題にしてチャレンジ。ところがこれが怖くて、スピードを出したままコーナーに進入できない。また、予選である程度のタイムを出しておきたかったので、もう最初から課題を捨てて膝を落としてリーン。予選タイムは53秒606で5番手。写真は4コーナー。膝を落としてもまだ怖くてノーブレーキで入れない。

気温が上昇するにつれ、どんどん高回転まで回るようになってきたが、その代わりに下がスカスカに。一度回転を落としてしまうと吹け上がらなくなってしまった。その応急処置で、アイドリングを2,000rpmから3,000rpmに上げてみる。pm1:00、3時間の決勝スタート。気温26℃、湿度33%、水温70℃。走り出して早々、カブリが発生。ガス欠のような症状でもあり、失火している感じでもある。20分走ったところでピットイン。プラグをチェックしてみると8番のプラグの碍子はきつね色でいい感じだったが、とりあえず10番のプラグに交換してみた。

プラグを変えても効果無し。かぶりがひどくなって、これでは練習にならないので、1時間経過した時点でメインジェットを#110から#100に変えてみた。これがドンピシャで、かぶりが消え、低速のトルクも戻っていい感じになってくれた。ストレートも速い!

4コーナー。写真手前の舗装の継ぎ目まで5速、スロットル全開で進んでスロットルオフ、ノーブレーキ回るとタイムが出る高速コーナーなのだが、まるで先の道が消えているような風景で、とてもスロットルオフだけでは曲がれる気がしない。
今レース最速ライダーのTさんにアドバイスしてもらったが、この4コーナーは「誰でも怖い」とのこと。まずその恐怖心を克服するのが先決だとか。う〜ん、確かにここは実際は道幅も広く、深くリーンさせなくてもハイスピードで曲がれるコーナーなのだ。曲がらなくしているのはライダーの恐怖心だというのは頭では理解できる。では、具体的にどうすれば恐怖心を克服できるのだろうか。

Tさんによると、クリッピングポイントを見つめながら進入していくと、どんどんその目標物との距離が縮まってくるので怖くなるとのこと。そこで対処法として、クリッピングポイントの先を見るようにするのがコツだと教えてもらった。なるほどそれなら向かっていく先までの距離が変わらないので、行き止まりの道に突き進んで行くような恐さが無い気がする。さらに「どうしてもクリップを見ずにはいられない時は、首をひねって顔は先を見るカタチにしておいて、目だけ戻してクリップを見ればイイ」と秘策も教えてもらった。慣れてくれば、視線もクリップから外せるし、とにかく肝心なのは「首が方向舵のような役目をしていることを理解し、首をひねって先をみる動作を身につけること」だそうだ。

Tさんには、「ハングオフで走るのがいいのか、リーンウィズの方がいいのか」というのも聞いてみた。Tさんいわく、腰を左右にずらすことよりも先に、前後のベストポジションをまず考えた方がいいとのこと。シートの上でこぶしひとつ分くらい腰の位置を前後に変えてみるとかなり旋回力が違うらしい。「例えば、2コーナーなどはこぶしひとつ前に座るとぐっと回り込めるようになる」、とか。一番旋回力が引き出せる腰の前後位置を決めた上で、はじめてハングオフやリーンウィズ、リーンインのフォームが生まれてくるのだそうだ。また、ハングオフスタイルで気をつけなければならないのは、腰をオフセットすることで相対的に上体がアウト側に戻り、リーンアウトスタイルになってしまいがちな点。これだとバイクをいくら深く倒しても、極端な話ステアリングを外に切ってしまうことになって旋回していかない。「ハングオフすれば速く走れるとか、リーンアングルを深くすれば速いというのは、ライダーの間違った思い込みだ」と、Tさん。

1コーナー。ストレートを6速で走ってきて、5、4速とシフトダウンしてそのままノーブレーキで入りたい。しかしこれも怖くてできない。イン側の膝を落とし、その勢いでバイクだけリーンアウト姿勢で寝かせていると、起き上がった上体の慣性がバイクをアウトに押し出してしまう。ステアリングがイン側に切れていないのだ。
今回は膝を落とさずに走れはしたものの、人車一体で倒れ込む恐怖心でついブレーキをかけてしまう。Tさんのアドバイス通り、クリップの奥を見るようにしてみたけれど、それだけでは身体がいうことをきかなかった。

1コーナーを上から撮ったショット。怖くて上体が戻ってしまっている。もっと上体をバイクと一緒にリーンさせられたなら、リーン角度も浅く、そしてより速いスピードでも抜けられるので、ノーブレーキでも平気だと思うのだが・・・。

続く2コーナー。たしかに少しシートの前の方に座ると、上体の荷重で楽に旋回してくれた。ただ、人車一体で左右にペタペタと切り返すことが出来ないので、1コーナーからの勢いが生かせていない。いっそ腰をオフセットせずに、上体だけイン側に入れるリーンインスタイルで切り返した方が速いかも。

S字コーナーの2つ目。人車一体でリーンできるように「駅弁売りスタイル」で走ってみた。速度が遅いのでターン後半は何も問題はない。問題はやはりいかにブレーキをかけずにコーナーに進入できるか、だ。そのためには恐怖心をなんとかしなければ。写真ではしっかり首をひねってコーナーリングしているけれど、これをコーナー進入時にもやりたい。

あれこれ考えてみると、どうやらリーン開始時に頭の位置がバイクの傾きの軸線よりアウトにあると恐怖を感じるようだ。特に自分の乗り方では腰から下だけ一気に倒してリーンさせようとするので、頭は大きくアウト側に取り残されてしまう。これでは曲がれる気がしなくて怖い。ところが、バイクの傾きの軸線より頭がイン側にあると速度が落ちるにつれどんどんバイクと一緒に倒れていく感覚があって、「曲がれる」気持ちになってくる。それに、スロットルを早く開けないと倒れ落ちてしまうような感じさえするので、ノーブレーキでも怖くないのだと思う。

レース後、Tさんの走りを思い出してみると、上体(頭の位置)をバイクの傾きの軸線よりイン側にオフセットしてからスロットルを戻してこの4コーナーに進入していた。最初から頭の位置がイン側のまま、減速→リーン開始→ターンという感じだ。頭をイン側にオフセットしておいてからスロットルオフというのは、いままで考えつかなったが、もしかしたら、これが恐怖心を無くす鍵かも知れないと思えてきた。そしてクリップの先を見るように首をひねること・・・次回のレースでは、この2つをもう一度頭に叩き込んで挑戦してみたい。

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