タイヤインプレッション・ブリヂストン BT-45V

ブリヂストン バトラックスBT-45V 120/80-16と140/80-17の組み合せ。29,200マイル時と31,500マイル時に交換し、2回使用。空気圧フロント:2.25kg/cm2、リア:2.5kg/cm2。

フロントのプロファイルが尖っているせいで、VFに使うと直進かリーンかのオンオフスイッチのようなかなりクセのあるハンドリングになる。低速でリーンさせるとフロントが一気に内向してバイクが起き上がるので、常に当て舵気味にフロントを押さえ込まなくてはならない。これでやや扱いにくい印象を受けてしまう。やっかいなのは、少し摩耗するとハンドルにブレを起こさせる点で、VFとのマッチングはあまり良くはない。

ただ、ステアリングダンパーを付ければどんなに偏摩耗してもハンドルのブレは出ないし、ブレが出るのはそれだけグリップが良い証だとも言えると思う。冷間時でも柔らかく、あまり熱を入れなくてもグリップする。また、スロットルを開けてフロントを起き上がらせる方向にしておき、それを身体で引き倒すように対抗させると、フラフラしていたVFがぴたりと落ち着いてオンザレール感覚でターンしてくれる。パーシャルでラインをトレースするのが苦手なのだ。

リアはやや台形なプロファイル。こちらもコンパウンドが柔らかくグリップ力はかなり高いと思う。サイドの接地面が狭いために面圧が高く、冷間時からしっかり食い付いてくれる。フルリーンで加速するとリアが滑るようにして外に回り込むけれど、それはサイドだけ柔らかいスポーツサクトの腰砕け感で、実際には滑ってはいないはずだ。

フロントは3,000kmほどでサイドが丸坊主になる。そしてどんどん尖っていくのでさらにオンオフ感覚のクセが強くなるけれど、常にスロットルを開けた状態でコーナーリングすればそのまま豪快に走れてしまう。また、写真のような溝が無くなったコンパウンドでもグリップしてくれるし、コンパウンドが肉厚なので丸坊主状態のままでもドライ路面ならまだまだ攻められる。一方、リアは公道での速度域ではサイドの溝がほとんど減らないまま中央にスリップサインが出てしまう。どんどん台形になるので、リアも使うにつれてクセが強くなってくる。

BT45Vはフロントもリアもきっちりサイドまで使えて、グリップもVFには十分な性能を持っている。ステダンさえ付ければマニアックな走りが楽しめるバイアスタイヤだと思う。

タイヤインプレッション・ピレリ スポーツデーモン

ピレリ スポーツデーモン 120/80-16と140/80-17の組み合せ。33,800マイル時に交換。空気圧フロント:2.3kg/cm2、リア:2.5kg/cm2。

BT45Vに比べてフロントもリアもプロファイルがかなり緩やかにラウンドしていて、これがVFの運動性をすごく上げてくれる。ほんの少しの動作で反応し、そして旋回性も高い。BT45Vで16インチホイールのクセだと思っていたキックバックの強いハンドリングが一変し、17インチのような素直な特性に変るので、VFとのマッチングはかなり良いと思う。

リアはサイドの接地面が広いせいか、低速でのフルリーンで加速するとス〜と滑り出すけれど、自然に止まってくれるので安心。スピードレンジの設定が高いようで、速度が上がれば上がるほどしっかりグリップするようだ。また、フロントもリアもフルリーンした時に腰があるので、重いVFでも思いっきり良くリーンさせられる。

浅いリーンでクルクル旋回し、VFを400ccのように軽々と走らせることが出来るスポーツデーモン。16インチの良さだけを引き出して運動性能をアップさせる優秀なバイアスタイヤだと思う。

・・・検証継続中・・・

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